読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

湖底

爆裂ハートフルコメディ

鈴木このみ3rdアルバム「lead」全曲レビュー

ついに鈴木このみ3rdアルバム「lead」が発売されました。フルアルバムとしては「18 -Colorful Gift-」以来2年ぶり、ミニアルバム「18 -MORE-」から数えても1年半ぶりのリリースです。

YouTubeに公式動画が上がっているものは貼り付けていますが、それ以外の曲もiTMSやmora等で視聴できるので気になったらチェックしてみてください。

 

01. Love is MY RAIL

作詞:畑亜貴 作編曲:白戸佑輔

 代表曲「DAYS of DASH」と同じ布陣で、走り出したその先を描いた一曲。この曲の良さは1番Bメロの「大好き 感じる未来へ向かえばいいんだね」の歌詞に凝縮されていると思うのですが、DoDの頃からは成長した姿を見せながら迷いを捨てて走り続ける様子を歌っています。何気にドラムがかなりテクニカルだったり、聴けば聴くほど味が出てくるスルメ曲な気がします。

ライブでは落ちサビでUOの夕焼けが広がってエモさMAXなので、ぜひ皆さんもUOを持って春ツアーに行きましょう。数回だけ披露されたロングイントロVer.もいい感じなのでまた聴ける機会があるといいですね。

 

02. 「わたし」をくれたみんなへ

作詞:深青結希 作編曲:奈良悠樹

昨年春の2ndライブツアーで初披露されて以来お気に入りの曲です。適度なコール&レスポンスが楽しい。奈良悠樹さんの曲に外れなしですね。歌詞も「一人になることで 関わりあうことで 芽吹いた想いたち 未熟な強さ 成長させていくんだ」など1stツアー後、大きな舞台を経て成長し続ける鈴木さんに寄り添った内容で非常に良い。

歌い方も本アルバムで一番焦燥感というか必死さがにじみ出ていて心に訴えかけてくるものがあります。本人ブログによると約1年前にレコーディングしてたのを改めて録り直したとのことなので、違いを聴き比べてみたいところです。

 

03. yell!~くちびるからはじまる魔法~

作詞:橋本みゆき 作曲:milktub 編曲:宮崎京一

初のキュート路線で「え、このみんこんなんできんの?」という驚きがありました。「君だけの『1番』ください」の「い」がポイントです。こういう方向性の曲も歌えるんだとアピールして、声優アーティストに負けずガンガンタイアップ取っていってほしいですね。 

 

04. One day sky
作詞・作編曲:白戸佑輔

白戸佑輔さん作の空をテーマにした曲ということで「Love is MY RAIL」にも通じる爽快感ある一曲。こちらは電子音中心でラップも入っていたりしてかなり趣が違いますが、落ちサビのエモさはLiMRに引けをとらないと思います。 

 

05. Tears BREAKER with piano -inst-
作曲:奥井康介 編曲:山崎泰之

11thシングルのカップリングのインスト版、というか原曲は4thシングルですね。鈴木さんのCDは比較的過去の曲のアレンジ版やライブ音源などを収録してくれることが多いように思います。 

昨年11月の20歳バースデーライブではキーボード岸田勇気さんが見事な生演奏を披露してくれたのですが、残念ながら特典DVDには未収録でした……。

 

06. MY SHINING RAY
作詞:坂井⻯二 作曲:山崎真吾 編曲:山崎泰之

プラネタリウムで歌えるような曲を」というリクエストを受けて作られたナンバー。初披露は2015年12月のラクーアでのフリーライブなので、丸1年以上経ってようやく音源化されました。上記のTears BREAKER with pianoのアレンジや「竜星鎮魂歌」の作編曲、「オラシオン」の編曲でおなじみの山崎泰之さんによる編曲で、この曲も壮大なオーケストラ調になっています。

動画の2ndツアーではミラーボール、バースデーライブでは高さ9mのタワー上での歌唱とライブでも壮大な演出が定番となっていますが、個人的には昨年6月のサンリオピューロランドで星空のような空間で歌っていたのが印象に残っています。いつか本当のプラネタリウムでライブやってもらいたいですね。

 

07. BE THE ONE
作詞:坂井竜二 作編曲:谷本貴義

 「THE・鈴木このみ」という雰囲気ですが、聴き比べてみると意外に過去のどの曲ともそんなに似てないんですよね。

 

08. Absolute Soul
作詞:坂井⻯二 作曲:若林充 編曲:村井大

8thシングル表題曲。2ndアルバム「18 -Colorful Gift-」にはアレンジ版が収録されていますが、原曲の方が圧倒的に良いので今回改めて収録されたことを喜ぶ人も多いのでは。もともとデュエット曲として作られてるので、掛け合いの歌詞を覚えてライブに臨むとより一層楽しめます。

 

09. 東のシンドバッド

作詞・作編曲:ANCHOR(Nizista)

個人的には本アルバム最強のキラーチューンでした。BPM速めのメロディに小気味良いリズムで歌詞が乗ったサビは一度聴くと病み付きになります。あえて似てる曲を挙げるなら「セルリアンスカッシュ」(相坂優歌)が近いと思う。

サビの歌詞も「東のシンドバッド 明日を掴め 夜はもうたくさんだ(中略)空を飛べるような翼が無くても 僕らにはこの足があるんだ そうだろ?」と大変にエモくなっております。

さらにこの曲だけ何故か演奏陣がゲストだらけでめちゃくちゃ豪華です。

Gt:Kuboty(TOTALFAT)&イシダレイジ(The Naked Sun.)、Ba:堀江晶太PENGUIN RESEARCH)、Dr:ピエール中野凛として時雨

とにかくこの1曲だけでもぜひ聴いてもらいたいです。

 

10. Beat your Heart
作詞:AIJ、松浦勇気 作曲:松浦勇気 編曲:宮崎誠

心臓の鼓動を表現したビートがアツい一曲。特に2番のサウンドと歌詞がお気に入りです。ライブでは鈴木さんが「滾れ~!!」と煽ってくるので思いっきり跳びまくりましょう。

 

11. Redo
作詞:ミズノゲンキ 作編曲:宮崎誠

YouTubeでのMV再生回数が370万回を超える近年最大のヒット作。ヒロインを助けるために何度も「死に戻り」を繰り返す主人公の姿を描いた歌詞は「これぞアニソン」と言えるハマり具合です。惜しむらくはアニメでOPが流れる回数が極端に少なかった(1クールで5回)ことで、作品の話題性の割にCDの売り上げは伸びませんでした……。ただ、moraの年間ランキングアニソン部門では20位に入っています。

個人的にもこの作品のMVが今までで一番好きです。白鈴木VS黒鈴木のコリドール(ボードゲーム)が良いですね。

 

12. Moment
作詞:深青結希 作曲:鈴木このみ奈良悠樹 編曲:奈良悠樹

初の本人による作曲。 最初に思いついたというサビのメロディーがすごくポップかつキャッチーなのが印象的です。カウントダウンライブで初披露され、推しが作った曲を聴きながら年越しを迎えるという非常に素晴らしい体験ができました。

2017年の目標は「作詞作曲」とのことなので、こちらも楽しみです。歌声以外にも表現の幅が広がっていくのは頼もしいですね。

 

13. 全部君がいたから知ったんだ
作詞・作曲:no_my 編曲:eba

本アルバムのリードトラック。「歌でみんなを導きたい」との思いが詰め込まれた歌詞ですが、特に2番の「百の優しさに触れて 千の愛を返したい これから先の道を照らして行くよ もっと」がグッと来ます。

MVには過去のCDや衣装が登場し今までの歩みを振り返る内容になっていて、この曲が鈴木このみにとって一つの節目なのだということがわかります。すでに本人ブログ等で明かされていますが、特典DVD収録のフルサイズMVの終盤では、今までに贈られたたくさんのファンレターや色紙などが飾られています。僕はこのシーンを見て涙をこらえることができませんでした。「全部君がいたから知ったんだ」というタイトルの「君」は、ファンのことだったんですよね。それをこういった形で表現してくれるのは本当に嬉しいです。

 

特典映像

初回限定盤のDVDには「全部君がいたから知ったんだ」のMVとメイキングに加え、昨年11月5日の20歳バースデーライブの模様が収録されています。改めて映像で見ると、ステージバックのスクリーンや大きな花道、そして無数のペンライトで埋め尽くされた会場と、これまでとは一線を画した規模のワンマンライブだったんだなぁと感慨深くなります。

ただDVD画質である上、約3時間半あったライブのうち収録されているのは後半を中心に30分弱と、ミニアルバム「18 -MORE-」特典の2ndワンマン(オフショット含む)が約100分、シングル「Redo」初回限定盤収録の1stツアーファイナルも1時間以上収録されていることを考えても寂しい印象があるのは事実です。アカペラで歌い上げたアンコールの「あなたに」など、BSフジの特番で放送された曲でもカットされた部分があるのは残念です。

あまりにも出し惜しみしているので、ひょっとしたら単体リリースの可能性があるのかもしれませんが、いずれにせよこのCDが売れないことにはライブ円盤が出る可能性も無くなってしまうのでCDを買いましょう。もちろん収録されているライブパフォーマンス自体は素晴らしいものです。

 

総評

過去2作のアルバムはタイトルが年齢から取られていることからも分かる通り、その時点での鈴木このみを表現する曲を集めたものでした。本作はそれに加え、前述したように「歌でみんなを導く」という明確なコンセプトがあったため、「20」ではなく「lead」と名付けられました。大好きを感じる未来に向かって走る「Love is MY RAIL」に始まり、君と目指す明日へと振り向かないで走る「全部君がいたから知ったんだ」で終わる構成が象徴的で、全収録曲が同じ方角を向いたブレないアルバムになっていると感じます。

20歳になった鈴木このみが導く先にどんな未来が待っているのか、ぜひ皆さんもこのアルバムを聴きながら想像を膨らませてみてください。