湖底

爆裂ハートフルコメディ

Wake Up, Girls!がつないだもの

2018年6月15日、声優ユニット「Wake Up, Girls!」の2019年3月末での解散が発表されました。僕はワグナー暦1年ちょっとの人間ですが、正直、まだ全然受け入れられていません。全然言葉がまとまらないので、とりあえず今年3月のソロイベとバスツアー後に書き進めていて途中になっていたブログでWUGちゃんへの感謝を伝えさせてください。

 

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ソロイベの各公演レポートが書ききれていないのですが、バスツアーを終えてわぐちゃんへのお気持ちが溢れ返っているので個別のレポは後回しにして、ソロイベとバスツアーを振り返りつつ、僕がこの1年間でWUGを大好きになった要因の一つである「TUNAGO」という曲を軸に、現時点での思いを書き留めておこうと思います。

  

僕は去年のANIMAX MUSIX大阪を機にワグナーになった新参だが、ギリギリ「旧章」世代でもあります。ユニットのライブに惹かれたのがきっかけだけど、アニメとしても東北を想い、震災を真正面から捉えた旧章の作風が好きでした。

しかし7月のワンフェスでのお披露目以降、どうも雲行きが怪しい。アニメ新章は東北から心が離れているような、ただ背景として仙台が映っているだけのような印象を受けはじめていました。そんな最中に始まった4thライブツアー。開幕直前生放送を見て、今回は「TUNAGO」をテーマにメンバー主導で構成を考えたことを知り、期待を抱いて臨みました。

 

3rdツアーまでの予習から、初めは派手な映像でテンションを煽ってくるものだと思っていました。しかし最初に映し出されたのは、日和山公園から望む石巻の街並み。そして仙台空港津波で流された土地をバックにメンバーが集っていくOPムービー。

ライブ自体も、「ゆき模様 恋の模様」でしっとりと始まり、MVをバックにTUNAGOで本編を終えるという、盛り上がりよりもメッセージ性を重視した構成に心を打たれました。これまでのWUGとこれからのWUG、ワグナーや東北、あらゆるものを繋いでいきたいという想いを強く感じました。ライブの最後はTUNAGOのインストをバックにスタッフロールが流れたのですが、公演を重ねるごとにワグナーによる合唱が大きくなっていったのも印象的でした。

 

TUNAGOは東北イオン「にぎわい東北」キャンペーンのイメージソングとして作られた曲です。アニメWUGの曲ではなく、最初のリリースは「恋?で愛?で 暴君です!」のカップリングでした。

しかし4thツアー以降、間違いなくこの曲はWUGを代表するものになったと思います。先日発売された「Wake Up, Best! 3」で他作品タイアップ曲やカップリング曲が収録されたディスク2ではなく、劇中歌に準ずる扱いでディスク1に収録されたこともその証拠と言えます。ベスト3の初回盤に収録されたフルサイズのMVは本当に素晴らしいものなのでぜひ見てほしいですね。できれば4thで上映されたメンバー手書きの歌詞テロップ付きVer.もまたどこかでお披露目される機会があればいいのですが。

 

秋に始まったアニメ新章は、個人的な感想としては極めて残念な出来でした。動かない絵ややる気のない演出は作画以前の問題だし、旧作のような群像劇感は薄まり、石巻気仙沼など仙台以外の東北に触れられることもありませんでした。極めつけに「仙台空港跡地」というあまりにも無神経なセリフが登場したことには呆れるしかありませんでした。

 

それでも、ユニットのWUGが4thツアーとTUNAGOという曲に込めた想いを信じていたから、僕はこのコンテンツを見放すことはできませんでした。この曲は僕の心も繋ぎ止めてくれたのだと思います。

 

そして2018年3月、「わぐらぶ限定 TUNAGO東北ろっけんソロイベントツアー」が開催されました。TUNAGOはツアータイトルに冠されるまでになったんですね。
以前のブログにも書きましたが、FC限定とはいえついに東北でツアーを開催してくれたことが本当に嬉しかった。個人的にも仙台以外の東北にはほとんど行けていなかったのでいい機会でした。

ソロイベ自体はメンバーによるセルフプロデュースで各公演全く違う内容のため、毎回TUNAGOが歌われた訳ではありません(そもそもWUG曲をほとんど歌わないメンバーもいる)。 ただ、僕が参加した秋田、郡山、石巻の3公演ではしっかりとその土地への想いがメンバーから語られ、歌に込められていたと思うし、他のメンバーがいない中で明かされるWUGへの想いを聞いて、ソロで表現していることはバラバラでも7人の気持ちは一つだと感じさせられました。

秋田と郡山と、いわきでのチャリティーミニコンサートではTUNAGOも歌われました。秋田ではWUGのほぼ全曲をメドレーで歌ったイベントの最後にみんなで合唱、郡山では生バンドで、いわきでは4thツアー以来久々に7人揃って。それぞれ違った良さを感じることができました。歌われる度にまた新たな意味合いを帯びていく楽曲だと思います。

 

イベント自体も楽しかったけど、その土地ならではの場所を訪れ、その土地の食べ物を味わうことができたのも楽しかった。そういう楽しみ方をしてもらうことも狙った上での東北開催なのだと思います。

特に印象に残っているのはやはり石巻で、あの4thツアー冒頭で流れた日和山公園からの景色を実際に眺めることができ、MVでメンバーが歩いた地を実際に歩くことができたのは大きかったです。まゆしぃパートが撮影された石巻市南浜は本当に街が丸ごと壊滅した場所で、ここでMVを撮ったことの重みと覚悟を改めて実感しました。また、まだ撮影から1年も経っていないはずですが、復興に向けて着実に景色が変わりつつあることも見て取れました。

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7ヶ所14公演のソロイベを終え、「ツアーファイナル」に位置づけられたわぐらぶバスツアー。内容を簡単に紹介すると、仙台駅で出発式→秋保グランドホテルでお出迎え→「WUGちゃんねる」公開収録(部屋ごとに7グループに分かれて観覧)→2次会という名のアニクラ(ソロイベ曲等でメンバー飛び入り参加)→2日目朝にラジオ体操→名取市閖上を観光→仙台GIGSでWUG結成5周年記念ライブ、という流れ。

印象に残ったのは、やはり2日目。恒例のラジオ体操を終えると、メンバーはライブ準備のため別行動に。残された参加者は名取市閖上の「ゆりあげ港朝市」で昼食を取ることになりました。

秋保温泉から閖上へ向かうバス車内で、あるDVDが上映されました。WUGの映像ではなく、3.11の津波被害の様子をまとめたもの。添乗員は「生々しい映像なので、苦手な方は目を背けてもらって結構です」と前置きしつつ、「今から向かう閖上で何があったのか知ってほしい」という旨の話をしてくれました。映像は約30分間、岩手から福島の沿岸各地を津波が襲う様子を収めたもので、BGMもなく波と瓦礫が流れる音と撮影者らの戸惑う声がそのまま流れる無機質な映像が一層緊迫感を伝えていました。

その中には、NHKが上空から生中継した閖上の映像も。名取川河口を遡り、堤防を超えた黒い波が家屋や田畑を飲み込む様子。この7年間何度も目にしてきた映像ですが、今からそこに向かうのかと思うと改めて背筋に冷たいものを感じました。

上映後、バスはゆりあげ港朝市に到着。朝市は30年以上前から開かれ、震災で甚大な被害を受けるも復活したのだそうです。あの日巨大な波が遡ったとは思えないくらい穏やかな水辺で、バスツアー参加者だけでなく一般の観光客も大勢訪れ、にぎやかに海鮮を焼いていました。

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参加者には500円の金券2枚(おそらくツアー参加費の一部)が配られ、確実にここにお金が落ちるようになっていました。僕たちは10個500円という破格のカキを買って焼き、味噌団子や新鮮なリンゴジュースを味わいお土産を買って満喫しました。当然のことながら、普通に旅行として楽しい。その上で、7年前波に飲み込まれたまさにその場所が笑顔に包まれている姿を見て、「ふるさとが にぎわい広がっていく」様子を感じ、心温まる思いになりました。もちろん周りは更地だらけでまだまだ復興へは道半ばという印象なんだけど、盛り土の上に建ち並ぶ新しい家々には“ここで生きる”と決めた人々の強さを感じました。

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自分はソロイベに合わせて個人的に沿岸部を巡りましたが、そういう経験のない参加者にも7年前の映像と今の姿を見てもらうことができたこの時間はとても意義あるものだったと思います。 

そしてそのあとは、

私達は5周年ライブのリハへ。

そしてわぐなーさんには、

閖上の朝市に行っていただきました。

バスツアーだからこそできることだと思います。

少しでも閖上の風景を感じてもらえたらなと思いました。

なかなか自分の足で行くことはなかった土地だという人もいると思います。

もちろん知らない土地だったという人もいると思います。

でもバスツアーを通して足を運んで、

また来たいと思ってもらえたら嬉しいなと思いました。

そう思ってくれた方がいたら非常に嬉しいです。*1

女性声優ユニットのバスツアーということで、大前提として(自分含む)参加者の多くはメンバーとの交流やイベントが目当てです。自分は初参加なので大満足でしたが、今回のバスツアーは前回まであったメンバーとのチェキ撮影が無くなるなど、接近イベントが大幅に減ったことで一部から不満の声もあったらしい。実際、5周年ライブのMCで永野愛理さんは、参加者が増えたことで一人一人の満足度はどうしても下がってしまうことや、ライブ準備で2日目にメンバーを交えた企画ができないことへの葛藤を打ち明けていました。

しかしながら、Wake Up, Girls!という作品はそもそもが東北を応援する目的で始まったプロジェクトです。いろんな制約がある中で、コンテンツの根幹の部分を再確認し、ファン自身がそれを体験できたという意味で、あえて被災地のど真ん中に案内して食事を楽しんでもらうというのはとても有意義な企画だったと思います。というかファンクラブ限定のバスツアーでこんなことできるのはWUGだけだし、WUGが背負っているものの重さと強さを感じさせてくれるイベントでした。ちゃんあい編集長をはじめとするメンバーと運営の決断に心から感謝したいです。

 

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この後5周年ライブの感想の途中で書きかけだったのですが、今となっては当時の感情を取り戻すのは難しいので割愛させていただきます。言葉にならないくらい最高のライブでした。

 

何より今WUGちゃんに伝えたいのは、ありがとうの気持ちです。この1年間、4thツアー、始球式、アニサマ、WUGフェス、アニメJAM、ソロイベ、バスツアー、GLフェス、舞台、WUGナイターとその他さまざまなイベントを見て、そのどれもが楽しかった。たくさんの楽曲に元気をもらいました。そして東北の素晴らしさを教えてくれました。ワグナーになっていなければ、こんなに東北各地に足を運ぶことはなかったでしょう。

これはWUGナイター終了後、解散発表の14時間ほど前に書いたものですが、まさにこの通りだと思っていて、ただアニメが宮城を舞台にしていたというだけでなく、5年間キャラクターとともにあらゆる困難に立ち向かい乗り越えてきた彼女たちが、本気で東北と向き合ってくれたからこそ、全国のワグナーが足を運んだんだと思います。彼女たちと一緒に東北を応援したい、そう思わせてくれる存在です。アニメと、東北と、ファンとをつなぐ存在、それが声優ユニット「Wake Up, Girls!」でした。

残念ながらユニット活動は来年で終わることになってしまいましたが、「コンテンツは継続」(まだ意味がよくわかりませんが)するとのことで、WUGという作品が消える訳ではないし、仙台や東北がWUGの舞台であることには変わりありません。もちろん、WUGメンバーのみんなの東北への思いも変わらないと信じています。永野愛理さんと奥野香耶さんにとっては地元だし、吉岡茉祐さんをはじめ他のメンバーも事あるごとに「東北は第二のふるさと」と話しています。また東北で会える日がきっとあるんじゃないかと思っています。イベントが無くても遊びに行きたいですけどね。

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そしてまだ、最後のツアーが残っています。3部構成のうち現在発表されているPartⅡまででも6ヶ所15公演あり、最終的には20公演以上になると予想されます。これまでに開催されたWUGの単独ライブは計43公演*2なので、まだ1/3残ってる計算になるんですよね。ツアー以外にも何らかのイベントがあるでしょうし、声優ユニットWake Up, Girls!の物語はまだまだ終わっていません。寂しい気持ちがあるのは事実ですし、ワガママを言えば終わってほしくないのが正直なところですが、最後まで全力で応援し極上のスマイルを届けることで、彼女たちに恩返ししていきたいと思います。

 

「行くぞ!がんばっぺ!Wake Up, Girls!」

 

*1:5周年、ありがとう!あいり | Wake Up, Girls!オフィシャルブログ Powered by Ameba

*2:1stライブ、1stツアー3ヶ所6公演、2ndツアー4ヶ所8公演、3rd・4th各7ヶ所14公演