湖底

爆裂ハートフルコメディ

「映画大好きポンポさん」感想(原作未読、ネタバレあり)

原作読んでないので映画素人のアニメオタクが見た1本のアニメ映画としての浅〜い感想です。1回しか見てないので見落とし、見間違い、解釈違いが多分に含まれている可能性があります。

 

【よかったとこ】

・ポンポさんが可愛いし表情も演技も良い。特にキメ顔の作画は最高。バリバリにデフォルメされたスーパーアニメチックキャラクターなので非の打ち所がない超天才プロデューサーとして描かれても納得するしかない。金髪ツインテの幼女は最強だってハンムラビ法典にも書いてある。

・取ってつけたようなキャラクターはいなくて、登場人物が全員ちゃんと魅力的。名も無きスタッフ達もみんなプロフェッショナルで、ちゃんと生きている。

・CGは控えめで、良質な作画を全編に渡って堪能できるのは贅沢ですね。アニメ映画はこうでなくちゃ。キャラクターはデフォルメされてるけど背景美術や小物類はリアルなのも良かった。

・カット割りのテンポが良く、特に序盤は画面分割だったり早回しや逆再生だったり色んな演出で遊んでて楽しい。一方で中盤以降は正攻法で描いたドラマチックなシーンが増え、集中力が削がれない。

ジーンが道端でナタリーを見つけるシーン、写実的な構図にめっちゃアニメ的な演出が加わって最高。こういうのが実写ではなくアニメで描く意味だと思う。監督の目はカメラのレンズなんだっていう基本の基本を最初にしっかり明示するのも大事。

陰キャ目線で陽キャなんてクソ喰らえっていう話かと思いきやそんなことはなかった。陽キャだって壁にぶつかるし映画に夢を見るんだよな。

ジーンが劇中のマーティンに自分を重ね、全てを切り捨てて映画を完成させていくところはやはり感動した。現場でどんなにいい感触だったとしても、どれだけ演者やスタッフが頑張ったカットでも、映画として伝えたいメッセージがブレるなら容赦無く切る。それが監督の仕事だから。


【物足りないとこ】

・一番のクライマックス(に感じた)のが銀行の融資会議のシーンってのはどうなの。いや金集めこそ映画作りの本質と言われればそれもそうなんですが、挿入歌の使い方も相まってその後のジーンが映画を完成させるシーンよりも目立ってしまってたのは主役を食っちゃった感がある。しかもこれ映画オリジナルシーンらしい。マジで?

・ナタリーがド素人から主演女優に化けていき、スイスでのシーンで完璧なヒロインになるのは良かったけど、終盤に存在感が薄い気がする。

・他の人の感想でも書かれてたけど、劇中の実写映画にアニメ的なエフェクトをかけてたのは余計に感じた。そこは小細工無しでよかったんじゃないかなぁ。

・「マイスター」のクライマックス、マーティンのアリアがいかに素晴らしい演奏だったかを観客のセリフで表現するのはめちゃくちゃ安っぽいというか駄作の香りしかしないんですが……。本当に素晴らしい演奏なら言葉はいらないと思うんですけど。散々切った挙げ句に最後これ?という拍子抜け感。

 

【細かいツッコミ】

・序盤、ジーンがポンポさんを車(イカしたランチア・デルタ)で送り届けた翌日にバスで出勤してるのは何故?ナタリーとの出会いを描くためかもだけど別に車でも問題無いような気が。車が壊れて(イタ車だし)バス出勤にした挙げ句遅刻した、という流れなのかな?

・ハリウッドの映画監督がエコノミークラスで移動することに違和感。アランも大手銀行の営業マンなんだしビジネスクラスで描いた方がそれっぽさが出たのでは。実際エコノミーなのかもしれんけど雰囲気的にね。

 

【「90分」について】

・個人的には割と共感。長けりゃいいってもんじゃないし、例えばTVアニメはOPED込み25分の尺の中で物語を表現できてこそ至高だと思ってるので。

・ただ映画はテレビと違ってどうしても表現したいことがあれば尺を伸ばせる世界でもあるし、ファミリー向け映画ならともかく、大人向けなら必ずしも時間厳守ではないとも思う。「マイスター」はどう見てもファミリー向け娯楽作品では無さそうだし。

 

【まとめ】

おおむね普通に面白い映画でした。ストーリーはまとまってるし、作画・演出オタク的にも十分楽しめる内容だったと思います。ただもう少し詰めればさらに良い映画になりそうな気がしたので、ちょっと勿体無いな〜という思いも。

まあポンポさんは可愛かったし、映画は女優を魅力的に撮れたらそれでいいってポンポさんも言ってたから合格点なんじゃないでしょうか。

 

原作を読んだらまた別の評価になるのかもしれませんが、とりあえず初見ではこんな感じの感想でした。雑語りですが自分用の備忘録も兼ねてアウトプットしてみました。