湖底

爆裂ハートフルコメディ

WUGに興味を持ってくれたあなたへ

WUGのファイナルライブちょっと気になるけど、平日だしな~、よく知らないしな~と思っているそこのあなた。行こうと思ってるけど何から予習すれば……とお思いのそこのあなた。ここではそんな皆様が胸を張って3月8日のさいたまスーパーアリーナSSA)へ行けるよう、順序を追って疑問にお答えしていこうと思います。

長いので「それは間に合ってる」という部分は適当に読み飛ばしてください。

 

 

新規だけど最後だけ行っていいの?

いいに決まってる。大歓迎です。一人でも多くの人たちに彼女達の勇姿を見てもらいたいと思っていますし、彼女達に一人でも多くの応援を届けたいと思っています。WUGが解散した後も、WUGを見た人の記憶は残り続けます。それを一つでも多く残したい。

HOMEツアー全12会場33公演を全通した身として自信を持って言えますが、Wake Up, Girls!は最高を更新し続けています。最新のライブが最高のライブです。つまり最後のライブはWUG史上最高のライブになります(予言)。それを見ないなんて勿体無い。

「ニワカが席を埋めたら本当に行きたいファンが行けなくなるのでは……」との心配もあるかもしれませんが、WUG単独でのこれまでの動員実績は最大で5000人程度で、今回はSSAのアリーナモードなので最大で約4倍のキャパがあります。「全てのワグナーさんともう一度ライブがしたい」がコンセプトのSSAライブです。そこにはあなたも含まれています。

 

チケットはどこで買えるの?

2/9より一般発売開始です。

wug-portal.jp

 「SSAの一般発売分とかどうせクソ席じゃん」とお思いのあなた。Wake Up, Girls!を信じてください。HOMEツアーでは1000~2000席程度のホールを回りましたが、「え、そこ通るの?」という普通の通路を使い、ありえないくらい近くに来てくれました(参考画像,)。横須賀は5階席で見ていて気付いたらすぐ横に田中美海さんがいました。そんなことある?SSAの演出プランがどうなるかわかりませんが、WUGちゃんはきっと裏切らないはずです。

また、WUGのライブパフォーマンスの魅力の一つは複雑なフォーメーションダンスです。7人全員が並ぶことで生まれる美しさは、ステージ全体を俯瞰で眺めてこそ見えてきます。前方には前方の楽しさがありますが、WUGに限っては遠い席も決してハズレではないと思っています。

どうしても良席が欲しいなら先行で7連申し込んで余らせてるワグナーがいるはずなので探してみましょう。

 

※追記※

 Wake Up, Girls! FINAL LIVE ~想い出のパレード~ チケット追加発売情報

2/25から追加販売が始まりました。一部プレイガイドでは完売していますが、まだ購入可能です。

 

予習はした方がいい?

ぶっちゃけ予習なんかしなくても大丈夫です。山下七海さんも「笑顔を持ってきてくれたらOK!」って言ってました。楽しむ気持ちさえあればいい。コールやペンライトの色を合わせることに気を取られて、目の前のWUGちゃんのパフォーマンスに集中できないのは勿体無い。

でも逆に予習してしっかり楽しみたいという方もいるでしょう。以下はそんな方に向けて書きます。

 

曲は何を聴けばいい?

 

Wake Up, Best!MEMORIALを買ってください。だいたい全部入ってます。以上。

 

というのは流石に雑すぎるのでもう少しちゃんと書きますが、MEMORIALはCD8枚組+全MV収録のBDが付いて税込8,399円なので1枚あたり1000円以下という超特価です。なんならアニュータとかApple Musicとかの定額配信サイトでも聴けるのでとりあえずこれを聴いておけば間違いないです。

ライブでほぼ間違いなく歌われるのは、まずアニメWUGの主題歌&劇中歌(MEMORIALでいうところのDisc1・6)と他作品タイアップ曲(Disc7)。そしてSSAではDisc8の新曲4曲も披露されるはずです。この4曲はMONACAの4人*1と作詞の只野菜摘さんからのWUGちゃんへの最後の贈り物で、単なるアニソンやアイドルソングの枠に留まらない、WUGにしか歌えない4曲です。ライブパフォーマンスはダンスや照明等の演出も含め、WUG6年間の集大成として他の追随を許さないレベルにまで到達しています。ぜひSSAで目に焼き付けてください。

アニメ発のライブにもかかわらず、キャラソンは比較的披露回数が少ない*2のですが、どれも良曲揃い。Disc2収録のユニット曲(セブンティーン・クライシス*3、プラチナ・サンライズ*4、outlander rhapsody*5、タイトロープ ラナウェイ*6)はライブのために作られた曲ということもあり、バチバチに高まる曲ばかりです。

WUG名義の曲はMEMORIALに全部入っていますが、「I-1 Club」など劇中のライバルユニットの楽曲も良曲揃いです。過去ほとんどのライブではWUGが何曲かずつカバーを披露しています。こちらはWake Up, Best!1~3に収録されており、CDだけでなく各種配信サイトでも聴くことができます。WUGはシングルを集めなくてもいいので楽曲の予習は比較的楽だと思います。

 

ライブの雰囲気を知りたい

1stツアーから4thツアーまでのライブBD-BOXとHOMEツアーPart1のBDが3/29に出るのですがSSAには間に合わず……。エイベックスは商売が下手。

しかし、我らがアニマックスさんがやってくれます。2/25にはHOMEツアー大宮公演の密着スペシャルが、SSA直前の3/4には大宮公演ライブスペシャルが放送されます。現在のWUGのライブパフォーマンスを知るにはこれを見るしかありません。

今からライブ円盤を買うとしたら、オススメは「Wake Up, Girls!新章」のBD第1巻です。定価3780円(Amazonなら2900円)と破格でありながら、BD-BOXには未収録の「Wake Up,Girls!Festa. 2016 SUPER LIVE」が全編収録されています。ライブの規模感としても、スタンディングのライブハウスだった3rdや4thの東京公演よりもSSA公演に近いと思います。なお新章BD第7巻には「Wake Up, Girls!Festa. 2017 TRINITY」が収録されているので、より最近の曲を予習できます。

手っ取り早く見れるものでは、公式が一部のライブ映像をYoutubeで公開しています。「Wake Up, Girls!Festa. 2015 Beyond the Bottom Extend」の少女交響曲は比較的長めに(2番まで)公開中。見所は前髪を切りすぎた高木美佑さんです。

その他1stツア~3rdツアーの数曲(ショートVer.)があります。

1stの頃マジでおイモちゃんだな……。みんな大人になったね……。ちなみに1stではタチアガレ!の落ちサビを歌うメンバーを公演ごとに変えていました。映像(東京夜公演アンコール)では青山→吉岡と、通常の逆パターンになっています。

2ndの「言の葉 青葉」はプロジェクションマッピングが印象的です。

3rdの生バンは最高……SSAも生バンだといいな……。いやでも歌に集中したいからな……。

 

コールは覚えたほうがいい?

覚えなくてもいいです。覚えて楽しみたい方は頑張ってください(雑)

いや声優ユニット現場なので当然バンバンコール入るんですが、別に覚えてこなきゃいけないものではないと思うので。どの曲にも定着しているコールはありますが、それが「正解」という訳ではありません。もちろんみんなで一斉に叫ぶのは一体感があって楽しい。

WUGで特筆するとしたら「7 Girls War」と「7 Senses」。Aメロの各メンバーのソロで「○○○○!よっぴー!」というように名前を叫ぶコールがあるのですが、この「○○○○!」には決まったセリフがありません。リズムに合わせてノリで叫びましょう。「超絶可愛い!」とか「お前が一番!」とか「サクサクジューシー!*7」とかそんな感じです。

他は書くとキリが無いので他サイト様を参考にしてください。

tokinodrop.tokyo

shryamaneko.hateblo.jp

ameblo.jp

 

TUNAGO

コールではないのですが、振りを覚えておくことをオススメする1曲があります。

「TUNAGO」です。公式の振付動画があります。

この曲はWUGが架け橋となってたくさんのつながりができるように、との想いで歌われている曲です。ぜひSSAでもみんなでつながりましょう。なお振りは左手で、演者と鏡映しになるように踊ってほしいと振付師の永野愛理さんが言っていました。

TUNAGOについての僕の考えは解散発表の翌日に書いた記事があるので、こちらもご一読いただければ幸いです。

  

ペンライトって何色振ればいいの?

WUGは基本的には推しの色振ってればOKです。ただ、ワグナー的にはなるべく色を揃えたい曲がいくつかあります。初心者の方には大変お手数をおかけしますが、これだけは覚えてもらえると嬉しいというものをいくつか紹介します。

繰り返しになりますが、色を合わせることよりもステージを見て歌を聴くことを優先すべきなので、強制ではありませんし、やらなくても大丈夫です。

 

できれば合わせてほしい曲

Polaris

WUG7人で作詞した新章の劇中歌。基本色は白で、試聴動画にはありませんが、落ちサビのまゆしぃソロ(ひと粒の瞬きが~)で会場が一面のに染まります。これは鳥肌立つくらい綺麗な光景です。

公式ペンライト(ルミエース)は次の色を予約できるので割と簡単なのですが、キンブレなどの順番に色を替えるタイプでは慣れが必要です。初見では難しいかもしれないので、色替えに気を取られてまゆしぃのソロを聴き逃すくらいなら白を隠すだけでいいと思います。ソロパート後、ラスサビは各自の推し色を振っている人が多い印象です。

ペンライトではありませんが、ラスサビの後半はWUGちゃんが肩を組むのに合わせて客席のワグナー達も肩を組みます。HOMEツアー終盤ではほぼ全員が肩を組むレベルまで広がりました。知らないオタクと肩を組むのは躊躇するかもしれませんが、最後のSSAでは2万人全員で肩を組みたいと思っています。僕の連番になった人は容赦なく肩を組みに行きますのでよろしくお願いします。

 

Beyond the Bottom

こちらも白色統一。これは続・劇場版の劇中ライブ(舞台はSSA)の再現です。落ちサビで赤に替える人もいますが、大多数は最後まで白です。

 

・言葉の結晶

上記試聴動画には含まれていないのですが、音源の2分39秒、「もの言わぬ声だった」後の無音に合わせて消灯し、会場に「無」を作り出します。これはHOMEツアーPart3大阪公演でメンバーから提案がありました。初見では難しいと思いますが、周りに合わせて消灯してもらえると嬉しいです。音が爆発するラスサビで再点灯します。

 

その他

ある程度色が統一されているものを記載。他は各々好きな色でOKです。

ちなみに4thツアー以降販売されている公式ペンライトには濃い緑と淡い緑の2種類がありますが、基本的には濃い方がかやたんの個人カラー、淡い方がWUG全体色という位置付けです。

僕らのフロンティア

水色→ラスサビのみなみソロで黄色

言の葉 青葉

雫の冠、TUNAGO

WUGグリーン

・ゆき模様 恋のもよう

I-1 Club曲

I-1は島田真夢・岩崎志保がセンターを務めた初期の曲(シャツとブラウス、リトル・チャレンジャー、ジェラ、Knock out)は、志保と鈴木萌歌がセンターを争った「運命の女神」では、萌歌がセンターを勝ち取った「止まらない未来」はになります。新章の2曲(君とプログレス、Jewelry Wonderland)については特定の色に染まる感じではない印象です。

 

アニメは見なきゃダメ?

当然見たほうがいいと思いますが、見なくてもライブは十分楽しめると思います。これは個人的な印象かもしれませんが、現在のWUGは他のアイドルアニメ作品とは違い、ライブがアニメの再現を目的としていません。どちらかといえば7人の人間のライブです。ステージ上でキャラクターを意識的に演じる場面も少ない。

でもそれは決してアニメを蔑ろにしている訳ではなく、あえて演じる必要が無いからだと思っています。WUGという作品のためにデビューし、6年間キャラクターを背負ってきた7人はキャラクターと一心同体なのです。もちろん島田真夢が吉岡茉祐のようなイケメンではないように、それぞれ別人格ではあるのですが、ふとした瞬間に声優7人の中にキャラクターの魂が生きていることを実感できる。それがWUGの魅力の一つなのかなぁと思っています。それを感じるためにはやはりアニメを見た方がいいかもしれませんね。SSAでは当然アニメを意識した演出もあるでしょうし。

 

でもヤマカンでしょ?

WUGの生みの親は山本寛です。これは揺るがない事実。でももしアニメを見たことが無いなら、ネットでイキり散らしてるあのオッサンとその評判のことは一旦忘れて、ぜひ自分の目で評価してください。

作品の順番としては、劇場版「七人のアイドル」→TVアニメ1期(12話)→劇場版「青春の影」→続・劇場版「Beyond the Bottom」→TVアニメ新章、という流れ。

そんなん全部見れねーよという方は、とりあえず「七人のアイドル」だけ見れば7人のプロフィールと作風は掴めるはずです。個人的には、1本のアニメ映画として、アイドルを描いた作品として、とても綺麗にまとまった作品だと思っています。

さらに時間が無いという方には公式が「7分で分かるWake Up, Girls!」という七人のアイドル~青春の影までの超ダイジェスト動画をYoutubeに上げているので、これだけ見てBeyond the Bottomと新章を見るというのも手です。

決して万人受けする作風ではないと思います。ざっくり言うと、どん底から這い上がってまたどん底に落ちてまた這い上がる……を繰り返すストーリー。ヤマカンらしい悪趣味な演出も人を選ぶでしょう。作画も昨今の作品と比較してお世辞にも良いとは言えません(特にdアニメなどで配信されているのはリテイク前の放送版)。

でも、アイドルオタクの山本寛が信念を持って描いたアイドルの世界がそこにはあります。辛い思いをしたキャラクターもちゃんと救われます。しんどい場面もありますが、どうか最後まで見て評価してもらいたいと思っています。特にBeyond the Bottomの舞台はSSAなので。

さらに一歩引いたところから作品を俯瞰すると、ヤマカン作品というレッテルを貼られ敬遠され、その生みの親が今では敵となって刃を向けてくる、そんな状況でも輝こうとする7人の姿そのものがWUGの物語です。山本寛がこの作品に込めた「アイドルとは物語である」というメッセージは、皮肉にも自身が作品を追われることによって体現されたと言えるでしょう。

新章は比較的オーソドックスなキャラクター重視のアニメなのでとっつきやすいかもしれませんが、こちらも放送版は作画があまり芳しくなく……。ただBtB以降の三次WUGの実績がキャラにフィードバックされているので、声優とキャラのつながりを感じる上では抑えておきたい作品です。特に最終回のライブシーンは見応えがあります。

  

やっぱなんか面倒くさそう…

じゃあ上に書いたことは全部無視してOKです。来て、見て、楽しむ。それだけでいい。

何も予習しなくても、何も考えなくてもきっと楽しめるはずです。今のWUGにはそれだけの力がある。あなたが楽しければWUGちゃんも喜んでくれます。

そもそも声優ライブの雰囲気が苦手という方もいると思います。無理しなくて結構です。黙ってじっと見ててもOKです(実際ライブ会場にはそういう人もたくさんいます)。

年度末の平日です。チケットも安くはない。そこまでWUGに熱狂的にハマっていなければハードルの高いライブだということは承知しています。

 

でも行けば伝説の目撃者になれます。WUGを知らずに来たオタクに一生マウント取れます(オタクはすぐマウントを取りたがる)。4月以降、新たに応援したいと思える推しが見つかるかもしれません。

ぜひ皆さんも、WUGの最後の舞台を照らす満天の星空になりましょう。3月8日、さいたまスーパーアリーナで皆さんと肩を組めることを心待ちにしています。

「永野愛理」という物語

 

「アイドルとは、物語である」

 

アニメWake Up, Girls!の劇中で語られたこのセリフが象徴するように、声優ユニットWake Up, Girls!7人のデビューから現在に至るまでの道程もまた物語である。7人それぞれに物語があり、どれもがドラマチックで魅力的なのだが、今回は誕生日を祝して僕の推しである永野愛理さんの物語を紐解いていく。

なお当然ながら僕はいちオタクでしかなく、彼女のことは各種メディアやイベントで目にしたことしか知り得ないので、以下の文章はただのポエムである。事実誤認、解釈違い等が含まれている可能性が高いことを予め断っておく。

 

One In A Billion

ここで改めて、7人がWUGのオーディションを受けた動機をまとめてみる。

 

吉岡茉祐:幼少期から芸能界を志望し、劇団ひまわりに入団。らき☆すたの舞台出演をきっかけに山本監督の新作オーディションを知り応募。

田中美海:声優になるのが小学生の頃からの夢で、WUGに落ちたらミルキィホームズフェザーズを受けるつもりだった。

青山吉能:同じく声優志望。第1回avex×81アニソン・ヴォーカルオーディション受験組。ミルキィの「エリーを探せ」オーディションも受けていた。

山下七海:歌手志望で、徳島のスクールに通っていた。2012年には徳島のカラオケ大会で準グランプリ獲得*1。AAAに憧れていたことから、エイベックス主催のWUGオーディションに応募。

奥野香耶:元々声優志望で、専門学校入りを親に反対され大学進学するも、オーディションを受け続けてきた。4年になり、ラストチャンスとしてWUGに応募。

高木美佑:第1回アニソン・ヴォーカルオーディション受験組。最終選考で落選し、周囲の合格者らに刺激を受け再挑戦。

永野愛:漠然と声優に憧れていたが、大学卒業後は就職するつもりだった。地元が舞台の作品ということで受けてみたところ合格。

  

永野 まゆしぃみたいな芸能の世界への憧れみたいなのは私の中にもあったんです。ダンスもやっていたし、表舞台に立ってみたいって気持ちはありました。でも大学にも入って、流石にもう落ち着いて、いずれ就職してOLになって……みたいなイメージだったんです。

─大人になるにつれてだんだん現実に寄っていく。

永野 そうなんです。でもそんな時に地元の仙台を舞台にしたアニメがあって、『涼宮ハルヒの憂鬱』の山本寛監督で、しかも二次審査で仙台までオーディションに来てくれるという話を聞いて。それなら受けてみようという、結構軽い気持ちでした。なので受かるとは1mmも思っていなかったです。ちょっとでもアニメに出られたらいいなと思っていたら、気づいたらWUGのメンバーになっていました。*2

永野愛理さん以外の6人は第2回アニソン・ヴォーカルオーディションがWUGという作品でなくても応募していただろうし、WUGが無くても別の形で表舞台に出てきていた可能性が大いにあった。しかし、彼女だけはこの作品が仙台を舞台にしていたから応募に至り、声優デビューを果たしたのだ。WUGが無ければこの子は大学を卒業後、そのまま仙台で一般人として人生を送っていただろう。

 

これは奇跡だと思う。

 

2018年8月、わぐらぶファンミーティングでWUGオーディション時の映像が公開された。オーディション時のあいちゃんが「暗かった」という話は以前から何度か話題に上がっていたが、実際に映像を見たら予想以上だった。あんな低いテンションで「星間飛行」を歌う女性は未だかつて見たことがない。ただ、姫カット永野愛理さん(19)はメチャクチャ可愛かった。

失礼を承知で言えば、アイドルアニメの主役級オーディションで受かるとは思えないレベルだった。だが、その暗さや平凡さが林田藍里というキャラクターとのハイパーリンクを生み出した。

──最初はあまり上手くなかったのを敢えて採用したのは、何か光るものがあったわけですよね。

山本 まずひとつは、やはり仙台を舞台にした作品で仙台出身の子がいないと話にならないということですね。もうひとつは、直感です(笑)。実は彼女と別のある子が最後まで競り合っていて、なかなか決まらなかった。最後の決め手はやはり彼女が藍里だな…というひらめきですね。藍里はとりえのない普通の子という設定は決まっていて、ぱっと見たイメージやキャラクター性が合うのは彼女だということで決まりました。*3

Wake Up, Girls!という仙台を舞台にしたアニメのオーディションが一般募集で行われ、Wake Up, Girls!に林田藍里というキャラクターがいたという奇跡に導かれて、永野愛理は声優になった。

 

ヒカリキラリミルキーウェイ

「声優」とは無敵の肩書きだと僕は思っている。作品とキャラクターを背負うことで、通常個人の力では立てない大きなステージに立つことができるからだ。そして最低限アニメやゲームで何らかの役を持っていれば、歌ったり踊ったりしていても、舞台に出ようが写真集を出そうが好きな野球や餃子の話をしていようが許される。

逆に「声優」という肩書きを失った途端に、同じことをしていても勝負する相手が声優界だけでなく有象無象のタレント全員になる。作品から個人へ、個人から作品へとファンが循環する声優界にいることは、タレント活動を行う上で大きなアドバンテージを持つ。

そんな無敵の肩書きを持つWake Up, Girls!の一員となったことで、永野愛理さんは多彩な才能を開花させる機会を手に入れた。

小4から磨いてきたダンスの能力は、MONACAをはじめとする強力なクリエイター陣による最強の楽曲と7人編成の華麗なフォーメーションを得て、これ以上無いと思えるほど素晴らしい形で日の目を浴びることになった。いくらダンスの腕を磨いてきても、ダンサーとしてではSSAのような大舞台で主役としてスポットライトを浴びることは無かっただろう。

もう一つの彼女の大きな武器が「野球」だ。声優になっていなければ、ただの野球好き女子で終わっていたはずだ。しかしWUGでデビューし、そのWUGが東北楽天ゴールデンイーグルスとコラボしたおかげで彼女の深い野球愛は広く知られることとなり、文化放送ホームランラジオへの出演、そしてパっとUPというレギュラー冠番組の獲得という道が開かれた。

2017年8月には始球式投手としてKoboパーク宮城(当時)のマウンドに立ち、嶋基宏のミットめがけてボールを放つという快挙を成し遂げた。僕もスタンドから見守ったが、この日の永野愛理さんは本当に輝いていた。夢を叶えた女性の姿はこんなにも美しいのかと。この時の弾けるような笑顔が、僕が愛理推しになる決定打となった。

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もちろん与えられただけではない。彼女の存在はまた、Wake Up, Girls!という作品・ユニットをより強くした。

林田藍里同様、一歩引いた視点でメンバーを俯瞰する優しさ。他メンバーのボケに素早く突っ込む瞬発力。常に周りが見えていて、いつもどうすれば観客が喜んでくれるのかを第一に考えている。

7人の中でも随一のキレを誇るダンスが、WUGのステージパフォーマンスをグッと引き締める。まゆしぃの低重心なイケメンダンスとも、みゅーのバレリーナダンスとも違う、指先まで神経を研ぎ澄まされた全身を使っての感情表現(鷲崎健はそれを「人生」と評した)は他の追随を許さない。

彼女が担当した地下鉄ラビリンスやoutlander rhapsody、タイトロープ ラナウェイ、ハートラインの振り付けは多くの人を虜にした。特にTUNAGOやPolarisのようなメッセージ性の強い楽曲において、与えられた振り付けをこなすだけでなく、メンバー自身によるクリエイティビティを持ったことの意味は大きい。

また先日の記事にも書いたが、彼女が本気で楽天を愛していたからこそWUGは単発のコラボではなく5年連続でコラボナイターを開催するまでに至った。

そして何より、東北への思い。4thツアーの主題に「TUNAGO」を据え、グッズの数字「313」に込めたメッセージ。わぐらぶバスツアーでワグナーを閖上に案内するという決断。Polarisの歌詞に「波」という言葉を入れた覚悟。彼女がいたから、WUGは5年間真摯に東北と向き合い続けたユニットになったのだと思う。

 

あとひとつ

2018年3月18日、宮城県 石巻 BLUE RESISTANCE。仙台からさらに車で1時間かかる石巻のライブハウスで開かれた永野愛理ソロイベントは約300人のワグナーで満員だった。

ライブはダンサー2人を従えたダンスパフォーマンスで開幕。ユニットでのダンスとは違う、本気のソロダンスを存分に見せつけた。ソロ曲「桜色クレッシェンド」「minority emotions」を交え、15曲を披露した。例年通り、WUGの曲は1曲も歌わなかった。

 

彼女は「歌は苦手だし自信ないけれど、それでも伝わるものがあると思って歌う」と語った。その通りだった。「栄光の架橋」なんてどう考えても音域も合わないし明らかに苦しそうだった。最後の「あとひとつ」は最初から泣いててまともに歌えていなかった。

でも、間違いなく思いは伝わった。東北の地に生まれた彼女が、3月の石巻でこれらの曲を歌う意味。震えた歌声や必死の表情から痛いほど伝わった。

この日、永野愛理は石巻に満開の桜を咲かせた。

ameblo.jp

 

Like a SAKURA

ソロイベで彼女は「私は桜の幹になりたい」と言った。ファンという桜の花を咲かせられる存在になりたいと。

今になって、もう一つの意味があるんじゃないかと思う。

Wake Up, Girls!という花は今年3月で散ってしまう。それでも、永野愛理という幹が残っていれば、また新たな花が咲くはずだ。

昨年12月、舞台Stray Sheep Paradiseで生き生きとルクル役を演じる彼女の姿を観て、僕はもっともっと「役者・永野愛理」の姿を見たいと強く思った。先日は「温泉むすめ」の松島名月役が決まり、今後も宮城ゆかりの作品と歩んでいくことになった。今年は「八月のシンデレラナイン」のTVアニメも始まる。まだまだ桜の花は咲かせられる。

それが春とは限らない。スロースターターな*4彼女のことだし、次に花が咲くのは秋かもしれない。オレンジの紅葉の中、一つだけ桜が咲いていてもいい。

 

「自分らしさから生まれた景色を、信じて、感じて、愛して、それでいいんだよ」

  

*1:なお、このときのグランプリは現A応Pの堤雪菜さん

*2:第2回【永野愛理 インタビュー】 – リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

*3:山本寛監督 vs「Wake Up, Girls!」 特別インタビュー企画|Wake Up, Girls!

*4:「私スロースターターで、中学時代にやっていたバトミントンの部活とかでも、最初はレギュラーになれなかったのが、3年生になったら一番手になって区で優勝したりしてたんです。私ダンスも最初は本当に下手で、一番下のクラスだったので…やっぱり、ずっと自分のペースで頑張ってるタイプではあるかもしれません」山本寛監督 vs「Wake Up, Girls!」 特別インタビュー企画|Wake Up, Girls!

「SENDAI光のページェント」ワグナーメッセージ企画 報告&御礼

twipla.jp

みなさん、こんにちわぐー!

先日、「SENDAI光のページェント」でワグナーからWUGちゃんと仙台の街への感謝のメッセージを流すという企画を立ち上げたところ、多数の参加者のご協力を賜り、無事に成功させることができました。参加者の皆様および温かく見守ってくださった方々に深く御礼を申し上げるとともに、改めて企画実施の経緯をご報告させていただきます。

 

 

企画概要

仙台の冬の風物詩である、定禅寺通りのイルミネーションイベント「SENDAI光のページェント」。Wake Up,Girls!TVアニメ1期及び新章のED映像や「言の葉 青葉」のMVにも登場するなど、WUGとも関わりの深いイベントです。

www.kahoku.co.jp

そんなヒカペーですが、作業費高騰や企業協賛の減少などによる資金難で、今年は開催期間が例年より6日間短縮されることになりました。例年12月最初の週末からスタートしていたので、岩手公演前に見に行くつもりだったワグナーさんも結構いたのでは。

readyfor.jp

昨年からは開催資金を募るクラウドファンディングが実施されているのですが、今年はその返礼品に「スターライトウィンク使用権」が初めて加わりました。スターライトウィンクとは、すべての明かりが1分間にわたって消灯した後、再び一斉に点灯するイベントで、その際に事前に録音した30~45秒程度の「大切な人に感謝を伝えるメッセージ」を流すというものです。

で、これ5万円をワグナーで割り勘して来年解散してしまうWUGちゃんに感謝の気持ちを叫べばいいんじゃないかと思って呟いたところ、某ま○ドムさんから「やりましょう」と圧をかけられたので、言いだしっぺの責任として僭越ながら企画を立ち上げさせていただきました。

当初は一口1000円で50人集まればいいかと思ったのですが、あっという間にTwiplaが埋まってしまったので急遽700円に値下げして70人に拡大*1しました。この手の企画を主催した経験が無く、あまり大人数になると自分の手に負えないし、実質クラウドファンディングの切り売りで利益を出す訳にはいかない中でキリのいい値段設定を狙ってこうしましたが、結果的にTwipla上で69人の参加となり、ちょうど良かったのかなと思います。なお、音声収録に参加できないにもかかわらず参加費を負担して応援してくださった方も多数おられました。本当にありがとうございます。

 

音声収録

企画を立ち上げたのが11月3日で、音声データの送付期限(開催5日前)までに大勢のワグナーが集まる機会が11/17のANIMAX MUSIX横浜か12/9のHOMEツアー岩手公演くらいしかなかったのでその二択でアンケートを取ったところ、わずかに岩手の方が参加者数が多かったので岩手公演にあわせて収録することになりました。

収録は昼夜公演の間に、ライブ会場の岩手県民会館に隣接する「緑の広場」にて実施しました。会場のすぐ隣にちょうど良い感じの場所があって助かりました。

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この日の盛岡は最高気温1.7℃という厳しい冷え込みの中、ライブの合間にもかかわらず、目測ですが50名ほどの方に参加していただきました。本来ならお一人ずつにご挨拶すべきところ、バタバタしていて出席確認もできず申し訳ありませんでした。

30~45秒というメッセージはいざ喋ってみると結構長く、この人数で一斉に叫ぶと絶対に揃わないと思ったので、最初と最後以外は代表の方を募ってお願いしました。

「誰か滑舌に自信ある人いませんか?」と雑に投げかけたところ、仕事でナレーション経験があるというイルリキウムさんに立候補いただき、また男だけではむさ苦しくなると思ってその場にいた女子ワグナーさん4名にもお願いしました。クリスマスイブの仙台の街中にオタクの雄叫びを流すなんて暴挙をして大丈夫なのだろうか……と思っていたのですが、おかげで爽やかな雰囲気になったと思います。ご協力ありがとうございました!

最後の「いくぞ!がんばっぺ!Wake Up, Girls!」は物凄い声量で、あんまり何テイクも録ると近所迷惑になりそうだったので(あとクソ寒かったし)、練習のつもりだったけど上手くいったのを使うことにしました。50人であの声量なんだから何千人ものワグナーが叫ぶ声がイヤモニを突き抜けてWUGちゃんの耳に届くのも当然です。

 

放送本番

放送日時は12/23の21時、12/24の20時と21時の中から選べたのですが、映画「七人のアイドル」劇中の勾当台公園ライブ(2013/12/24の19:45~)に近いという理由で24日20時にしました。

私は22日にHOMEツアー千秋楽となる横須賀公演、23日にアニメJAM2018を堪能した後、24日は池袋で今年のイベント収めとなる「Run Girls, Run!とクリスマスカードを作ろう!の会」に参加してから仙台へ向かいました。我ながらクソイベンターすぎる。

twipla.jp

19時過ぎに勾当台公園へ着くと、すでにたくさんのワグナーさんが集まっていました。なとりさん主催で毎年行われている「伝説のステージ集会」。アニメWUGがデビューした日に、始まりの地である勾当台公園のステージに集まるワグナーたち、エモすぎませんか。

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勾当台通りに面した広場はマジックショーやビアホールなどで賑わっているにもかかわらず、石段を上がったステージ周辺は人気がほとんど無く、ワグナーだけの空間ができていました。カイロや気仙沼土産の配布もあって嬉しかったです。

そして2013年12月24日、「SENDAI学生メタルバンド祭」でWake Up, Girls!の出番が始まった19時45分。ステージ上に置いたパソコンを囲んでライブシーンを鑑賞し、大田邦良の気分を追体験しました。

大田と一緒に「アンコール!アンコール!」までやってから急いで定禅寺通りへ。

20時少し前に明かりが一斉に消え、ナレーションに続いてメッセージが流されました。実際どんな感じになるのか不安だったのですが、「いくぞ!がんばっぺ!Wake Up, Girls!」の掛け声に続いて明かりが一斉に再点灯する様子は予想以上にグッときました。WUGちゃん達にこの声が届いたかはわかりませんが、仙台の街にWUGちゃんがいた証を少しでも刻めたのかなと思います。ご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!また現地に来てくださった方や、動画を見て温かいお言葉を掛けてくださった皆様にもお礼申し上げます。

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私は光のページェントに始めて訪れたのですが、今まで見たどのイルミネーションよりも美しかったです。写真では伝えきれない。人工のオブジェではなく、ケヤキ並木の樹形そのままに光が連なる様はまさに「杜の都」ならでは。WUGの聖地であることを差し引いてもまた訪れたいし、いつまでも続いてほしいイベントだと感じました。

晩翠通りを超え、「せんだいメディアテーク」付近まで来ると人ごみも和らぎ、ゆったりとした雰囲気になります。そしてここが、「言の葉 青葉」のMV撮影地。

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iPad miniにMVを入れていたので流してみましたが、映像に合わせて画面を動かすと完全にVRです。ワグナーは一度試してみてください。今年のSENDAI光のページェントは12月31日まで開催されています。

クラウドファンディングは終了しましたが、光のページェントを続けていくためには継続的な支援が必要です。これからもできる範囲で応援していけたらと思います。

 

参加者一覧

(順不同、お名前はTwipla登録上のもの)

timp.(@timp94222182)

まみドム @ やました(@mamidom)

リバーヴ(@WickedLaser505)

🦅👐烏瓜☘♨️(@karasuuri_pad)

ポイポイ兄さん(@poipoibrother)

てんぴー(@61tP)

イチ@ここが僕のホーム。🍀(@ichi_wug_love)

GARLIC@にんにく☘(@garlicNinNiku)

るり👐26日MUG!(@rurichan_0122)

たくみP(@takumiP)

サケハノムベシ(@sakewanomubeshi)

おこげ@山下七海のダーリンになりたい(@tabe773)

もんちゃん(@running_moyashi)

DRILL★STAR(@DRILLSTAR)

SIRIUS@12/22鹿・わぐ(@saqsirius)

しそろ@(@folk_1230)

ゴミ箱@1日目東H47a(@gomi_ningen)

オーパス(@opus_nmthk)

水棲・池月☘️(@61280KD000)

あんず(@lcumis2)

よねぽん(@yonepon_pp_idol)

ペガサス(@pegasus1109)

日陰のみかげん(@RaLilligant)

アルティ(@alty_o)

フロンティア@Never give up(@yunohanomori)

すみちゃん@1日目東H46b(@shsmta)

仁(@JiN_CRST182)

まつい(壁(@yasuchin76)

しみこー😎(@bakagamiru21)

joe@WUGツアー盛岡昼夜(@joe_wugaccount)

いずみ︎✈︎(@akihabara0310)

イルリキウム/43Tc(@I_verum43)

三重のトナカイ(非実在)(@mieyasuji)

だってマチャムネ☆横須賀、熊本、長野、愛知、仙台(@notGirlButWUG)

ゴメ(@gome719)

ちーくん@ワグナー兼わんこ蕎麦(@tiikun39)

レン(@harenntit)

昼鴨(@hirugamo)

ほむんくろの(@aryaryagi124)

おるば(@oruba_carp)

だいごろう(@daigolow_1)

タケシ(@9Parabellum)

足湯♨️(@aszwkamakura)

眠気覚ましドリンク(@kamisumuchi_k2)

カズ(@Bs21_kt)

小泉璃乃(@SU_____HO)

寝袋(@FarusAccd)

むさしたあ@インフルA型の為年内閉店(@aDfc5MgWaF6uTFx)

オバマ(@starlitsky_rin)

おはもち(@ohagimochimochi)

ゾウリムシP/デレ6th西武現地10、1(@zourimusi64)

こうが(@hgfbrz_)

水色スキーなエト(@tryangle_canvas

みそみそピーナツ とみー。 🐏SSP 🐑全通だよ!!(@misopii_tommy)

えぬつー(@enutun_WUG)

ておりあ(@_theoria)

いつき(@WUG_Itsuki)

千葉のあいうえお@未来の永遠さに僕たちは苦しむ(@aiontwt)

ツカサ(@Tsukasa_OTHAsd)

kawanoyou(@kawanoyou)

お灸の灸(@ohisashi_kyu)

yossino(よっしーの)(@yossino

(とり)(@yugiri73)

ひるっち→ハッカドールお渡し会(@MiYuW_MUNB)

シクロ(@Cyclo4888)

キョン(@kyon_wug)

ブレスコア(@rge_wug)

ふぁうんど(@FaunddD)

 

連絡が遅かったりロクにご挨拶もできなかったりと至らぬ点も多々あったかと思いますが、皆様のおかげで無事に企画を成功させることができました。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!!

*1:50000円-自己負担分1000円の49000円÷70人=700円

WUGナイター2018の思い出

この記事は「Wake Up, Girls! Advent Calendar 2018」の13日目の記事……の予定でしたが、更新が大幅に遅くなってしまいました。申し訳ございません。

adventar.org

 

皆さん、こんにちわぐー!

色々なことがあった2018年もそろそろ終わりを迎えようとしていますね。色々ありすぎて上半期のことが遠い昔のように思えてしまいますが、今回は個人的に今年(12/13現在)一番楽しかった半年前のイベントについて書きたいと思います。そう、「Wake Up, Girls!×東北楽天ゴールデンイーグルスラボナイター」(通称WUGナイター)です。

WUG放送初年の2014年から毎年開催されていて、今年で5年目。私は昨年からのワグナーですが、2017年のワグナイターの様子をTLで追っていてすごく楽しそうだったのと、現場で見る背番号7のWUGユニに憧れていたので念願の参加でした。

この素晴らしいイベントを、楽しかった思い出を、ちゃんと残しておかなければいけないなと思ったので、半年前の記憶を掘り起こして綴っていきます。

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Run Girls, Run!1stツアー「止まってなんかいられない」大阪&仙台公演

もともと全公演終終了後にまとめて感想を書くつもりだったのですが、千秋楽・東京公演に一人でも多く来てもらいたいという思いから現時点での感想を書くことにしました。曲を知らない人にも伝わるように試聴動画等も交えて紹介します。運営は早くショーケースイベントあたりの映像を公式で上げてください。

どうせ持ち曲全部歌うのでネタバレもクソもありませんが、曲順など気にする方は一番下まで読み飛ばしてください。なお仙台夜公演は行かなかったので、行ったオタクは責任を持って記録を書いておいてもらえると助かります。

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WUG初心者こそ舞台版Wake Up, Girls!を見てほしい

こちらの記事を拝見して思うところがあったので久々に筆を執りました。今回も書きかけのまま放置していた下書きの再利用ですが。

 

WUGの魅力は2次元のキャラクターと3次元のキャストのハイパーリンクです。オーディションで選ばれた7人の新人声優が演じるキャラが新人アイドルユニットとして成長していく物語も、キャラを背負ったキャストが成長を重ねライブで見せるパフォーマンスも、どちらもWUGを語る上で欠かせないものです。なのでWUGを理解するならアニメもライブ映像も全部見ろとしか言いようがないのですが、まあ実際のところ時間もお金もかかるし面倒だなぁ……という人もいるでしょう。

 

そんな貴方にオススメなのが舞台版です。

2017年1月に第1作目「舞台 Wake Up, Girls! 青葉の記録」、2018年6月に続編「舞台 Wake Up, Girls! 青葉の軌跡」が上演されました。共に脚本はアニメ版と同じく待田堂子さんが担当し、前者はアニメ第1作の映画「七人のアイドル」を、後者はTVアニメ1期前半、主に5~7話の物語を描いています。

 

アニメの声優が生身で演じるアニメの物語

WUG舞台の最大の魅力は、何と言ってもアニメの主演声優がそのまま実際に生身でキャラクターを演じていることです。今でこそ声優が舞台に出演することも珍しくなくなってきましたが、アニメと同じ声優が同じストーリーを舞台で演じるというのは2.5次元舞台ブームの中でもまだ珍しい試みだと思います(なお第1作は某スタァライトよりも先です)。しかもWUGの場合はキャラクターと声優が同時にデビューし、名前が同じで設定にも実際のエピソードが反映されているなど、その親和性は通常の役者とキャラとの関係性を超越したものがあります。

アニメWUG初期のエピソードを生身の声優による演技で楽しめる舞台版は、2次元と3次元の物語を同時に楽しめて一石二鳥です。しかも本編の後にはライブパートがあり、WUGのライブパフォーマンスもしっかり堪能できるものになっています。一石三鳥ですね。

第1作は既にBD化されており、第2作は11月下旬にBD発売予定となっています。それなりに値段は張るのですが、どのライブ円盤を買うか迷っているなら舞台版から入るというのも手です。お近くにワグナーがいる方は「WUGに興味がある」と言えば喜んで見せてくれることでしょう。なお第2作「青葉の軌跡」のオッドストア限定版(複製台本、舞台前説・後説全ナレーション収録CD付き)は今日10/31日が予約〆切です。急げ!!!

私は先日開催された上映イベントで一足先に拝見しましたが、カメラアングルやカット割りが非常に素晴らしく、映像作品としても見ごたえあるものになっています。劇場で見た人も繰り返し見ることで細かな演技など新たな発見があることでしょう。

 

素晴らしかった「青葉の軌跡」

ここからはもう少し内容に踏み込んでいきます(若干ネタバレ含む)。第1作と第2作を順番に観るのが一番なのですが、どちらか一方を選ぶなら個人的には第2作「青葉の軌跡」をオススメします。なお自分は第1作を観に行けず(上演当時まだそこまでワグナーじゃなかった)BDのみの鑑賞で、第2作は3日目と千秋楽の4公演を鑑賞したのでそう思ってしまうだけかもしれません。

前作「青葉の記録」では映画と同様、WUG7人の出会いから最初の勾当台公園ライブを迎えるまでの姿が描かれましたが、「青葉の軌跡」では7人が正式にユニットとして始動し、初めての単独ライブで挫折を味わい、大きな危機を乗り越え、絆を深めて成長していく物語です。冒頭は「今」のWUGから結成当初に遡るような構成で、7人のキャラクター紹介(ここの吉岡茉祐さんの長台詞がめちゃくちゃ早口なのにスムーズで凄い)もあるので前作を観てなくても大体わかるようになっています。

舞台のあらすじやセットの雰囲気などは上記の記事を見てもらえば分かるのですが、この回転舞台が肝でした。本作は仙台のド素人アイドルユニット「Wake Up, Girls!」と、WUGのセンター島田真夢がかつて所属した国民的アイドルユニット「I-1 Club」の対比を軸に描かれます。劇中のライブシーンでは、未熟なWUGのバラバラのパフォーマンスと、I-1のプロフェッショナルで大盛り上がりのライブとが回転舞台によってスピーディーに転換され、非常にわかりやすく演出されています。

14人の物語を追体験

本作で描かれるアニメ1期の放送当時、声優ユニットのWUGもまだド新人で未熟なユニットでした。メンバー同士の絆も今ほど深くなく、ライブパフォーマンスも荒削り。二次元のキャラと同じような状況でした。それが今や圧倒的なライブパフォーマンスと最強の絆で結ばれた7人になっているのですが、その7人が初期のWUGを演じるわけです。目も当てられないような失敗だらけのライブや、意識に差があり感情をぶつけ合うメンバーの姿を目の前で見せ付けられると、まるで本当にデビュー直後の姿を見ているような気持ちになれるのです。僕は去年から本格的にワグナーになった人間ですが、この舞台を鑑賞したことによって実質的に最古参になることができました(?)。

レベルアップした演技力

そう思わされたのは、7人の演技力がとても高いレベルにあったからです。前作よりも一段とレベルアップしていました。元子役で現在も多数の舞台に出演している吉岡茉祐さんが上手いのは言わずもがなですが、本作では特に青山吉能さんの演技がとても良かった。青山さん演じる七瀬佳乃は前作よりも大幅にセリフが増え、物語の軸となってくる存在なのですが、彼女の演技が本当に良かった。アニメ初期の佳乃はプライドが高く常にピリピリとしたオーラを放っていて、思い詰めると一人で絶望してしまうようなキャラクターだったのですが、それを完璧に演じきっていました。藍里の脱退をめぐってメンバーと口論になるシーンでの追い詰められた表情は完全に七瀬佳乃だった。

また奥野香耶さんは最もキャラクターと実際の外見が離れているのですが、舞台上にはいつもの小さくて可愛い奥野香耶さんではなく、喧嘩っ早くて面倒見のいいWUGの姉御的な存在である菊間夏夜が間違いなく存在していました。ただ声が一緒だから、というだけでなく、ちゃんと全身でキャラクターを演じきっていたと思います。4月に舞台「華枕」に出演した経験も生きているのでしょう(残念ながら僕は観に行けませんでした)。

キャラと本人の違いといえば、林田藍里演じる永野愛理さん。永野さんは数々のWUG曲の振り付けを担当するバリバリのダンサーですが、劇中では他メンバーにパフォーマンスで遅れをとり、クビを宣告される役柄です。ちょっとわざとらしいくらいの「踊れない」演技でしたが、踊れる本人を知ってるので面白かったですね。

また、I-1 Clubセンターの岩崎志保(大坪由佳)以外のサブキャラクターはアニメ版とキャストが変更されていますが、舞台版のキャスト陣のアニメ再現力も凄かった。特に福山聖二さん演じる早坂相はもう本物がそこに立っているとしか思えない存在感でした。稽古場で常にアニメWUGを見て研究していたとのことで、プロの俳優の力に感激。社長と松田の熟年コンビのような会話劇、非常に短い期間でプロのアイドルのパフォーマンスを仕上げてきたI-1組もお見事でした。

 

ライブパート

本編ラストで時空は「現在」へと戻り、最新曲「Polaris」のライブで幕を閉じます。最後に挨拶が組み込まれているのでライブVer.とはやや違いますが、現状Polarisのライブ映像は円盤化されていない(アニサマと5周年ライブは円盤化予定)ので、この「青葉の軌跡」が第1号となります。

そして本編後のライブパートでは、劇中で披露した楽曲を改めて現在のWUGによるパフォーマンスで見ることができ、成長を実感することができます。劇中とは一転しキレキレの永野愛理さんのダンスに注目です。

 

続編を諦めない

ご存じの通り、「声優ユニットWake Up, Girls!」は2019年3月末での解散が決まっています。しかし「プロジェクトとしてのWake Up, Girls!」は今後も継続すると発表されていますし、一部メディアの記事ではその中に舞台も含まれていました。

「青葉の軌跡」も、当初は映像化予定が無かったにもかかわらず、ファンの声を受けてBD化が決まった、とされています。ここまで舞台化されたのはWUGの物語の始まりの部分に過ぎません。先日の上映イベントでも出演者一同、続編を待ち望んでいました。諦めずに声を上げ、物語の続きが見られる日を待ちたいと思います。

2018年6月15日のこと

こんにちわぐー。あれから1週間経ちましたね。

あんまりクヨクヨしててもしょうがないし、ツアーに向けて前を向いていかなきゃいけないのはわかってるのですが、辛いものは辛い。とりあえず早くいつも通りにわちゃわちゃした7人の姿を見せてくれると嬉しいのですが、ぺらじやWUGちゃんねるが無くなるとこうも寂しくなるんですね。

もっと楽しい思い出を振り返りたいのですがなかなか筆が進んでいないので、先週の衝撃の1日を記録として残しておきます。

 

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2018年6月15日。前日のWUGナイターがあまりにも楽しく、全力で応援をし続けたあと勝利の美酒に酔った僕は疲れもあり、午前9時すぎと遅めに仙台のカプセルホテルをチェックアウトした。

夕方のフライトまで何も予定がなかったので、とりあえず仙台駅まで歩くことに。道中、昨年12月から今年2月までの期間限定で設置されていたWUGのデザインマンホール跡地や7GWのMVロケ地である「サンモール一番町商店街」を巡礼。

某アイドルアニメコンテンツではマンホールが荒らされたり掃除していたファンが炎上したりと散々なことになってしまいましたが、WUGは設置期間中何事もなく、地元ワグナーが毎日のように掃除してくれたことも美談として伝わるなど、やはりこの界隈の雰囲気は温かくていいですね。コンテンツの規模が小さい故なんでしょうけど。

仙台の街は緑が多くて綺麗で、どこを歩いていてもWUGの空気を感じられて大好きです。後にオールナイトニッポンiで話してましたが永野愛理さんもこの日の朝は仙台駅周辺を歩いてWUGゆかりの地を感じていたそうで、同じ時に同じようなことを思っていたんだなぁと。まあこの時の僕は解散の「か」の字も考えてなかったんですが。

 

仙台駅に着くころには雨が本降りになってきましたが、なかなか仙台で1日ゆっくり過ごす機会も無いので4月のわぐらぶバスツアー翌日に高木美佑さんと田中美海さんが聖地巡りに使用した「DATE BIKE」を借りることに。

観光利用では駅構内の端末でスマホの番号を入力してSuica等のICカードを登録し、カードが鍵代わりになります。IC支払いで1日1029円。他に月額会員とかもあるようです。コンビニで雨合羽を買っていざ出発。

お昼ごはんは以前ANNiで永野愛理さんがオススメしていたラーメン屋「嘉一」へ。

そして今回の一番のお目当てだった、WUG聖地の喫茶「ビジュゥ」さんを初訪問。何度も仙台を訪れていますが、いつも定休日だったり時間が無かったりでようやく念願叶いました。

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店内はほとんどがワグナーで埋め尽くされ、後にも続々とやってきました。平日の昼間なのに皆さん仕事しなくて大丈夫なんでしょうか(ブーメラン)。この日は5月限定だったよっぴー誕生日Ver.の「フロマージュ・クリュ・オルタンシア」が再販されていたのですが、目の前で枯れてしまいピンク色の通常Ver.に。でもめちゃくちゃ美味しかったです。劇中でWUGちゃんが食べたワッフルも食べたいし、まだまだ再訪しなきゃいけませんね。

 

1時間ほどくつろいだ後、TVアニメ1期1話の舞台である青葉神社へ。

エモい。

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境内にはランガちゃんの絵馬も。他にもワグナーさんがWUGの末永い活躍を祈願した絵馬がたくさんあり、ほっこりしていた矢先だったのですが……。

 

このツイートを投稿した直後、「わぐらぶから凄いメールが来た」とTLがざわついているのが見えたので、Gmailを開くと確かにわぐらぶからの新着が。ツアーのPart3が出たのかなと思って開くと、「▼いつも応援してくださっている皆さまへ」の文字。

思わずその場に座り込み、雨に打たれながら天を仰ぎました。

 

なんでだよ。昨日あんなに楽しかったじゃん。WUGちゃんまだまだこれからじゃん。新章がダメだったのか?もっと円盤買えばよかったのか?GLフェスが空席だらけだったから?……疑問と後悔が頭の中に渦巻きました。

いつか終わりが来ることはわかっていました。もともと結成から6年続くことが目標だったことも。でもいざ突き付けられるとそう簡単に受け入れられることではありません。

でもこの瞬間、ひとつだけやることが決まりました。ツアー全通。残された時間、最後までWUGちゃんの勇姿を見届けるしかない、そう腹を括りました。

 

とりあえず、誰かと話したい。ワグナーと会って気持ちを共有したい。そう思ってTwitterにつぶやくと同じ考えのワグナーが結構いたので、どこかに集合しようということに。熊谷屋さんでお土産を買ってから勾当台公園へ向かうと、既に何人か集まっていました。

何か実りのある話をしたわけではなく、各々が感じていた予兆や今後の不安を吐き出して語り合っただけなのですが、それでも一人でいるよりはずっと楽で、ツアーに向けて少し前向きな気持ちになれました。僕は自転車を返したり飛行機の時間が迫っていたりしたので小一時間ほどしかいられなかったのですが、平日夕方にもかかわらず最終的に15人ほどのワグナーが集まったのは流石だなぁと思いました。

(携帯の充電死んでて写真とか残せなかったのでツイートお借りします) 

勾当台公園にワグナーが集まったことはスタッフを通じて永野愛理さんの耳にも入ったようで、日付が変わってから更新されたANNiで言及してくれたことに感激して死ぬほど泣きました。ワグナーにとって仙台が本当に大切な街で、この地でワグナーのつながりが生まれたことを改めてメンバーにも感じてもらえたのなら嬉しいですね。

 

19時のフライトが迫っていたので勾当台公園を後にし、仙台空港へ。これを見るとTUNAGOを思い出して込み上げるものがあります。

去年から何度か飛行機で仙台を訪れていますが、帰りに乗るのは初めて。続劇場版「Beyond the Bottom」に登場した出発ロビーに初めて入ることができました。

構図を確認するためにdアニメストアでBtBを再生したのですが、WUGを辞めて光塚を受験すると決めた久海菜々美がWUGでの思い出を回想するシーンで自分の思い出もフラッシュバックし、涙が溢れ出てきました。

大阪へのフライト中、気持ちを整理しようとメモ帳を開いてみたものの、やはりあらゆるステージで輝きを放っていたWUGの姿を思い出し、この7人にしか作り出せないパフォーマンス、この7人だからこその空気感が大好きだったんだと思い知らされて涙が止まらず、何も考えがまとまらないまま着陸の時を迎えたのでした。

 

帰宅してぺらじやWUGちゃんねる、ANNiでメンバーのコメントを視聴。前日の楽天戦であんなに楽しそうにしていた姿が嘘のようで、これは悪い夢なんじゃないかとも思いましたが、目が覚めても現実は変わっていませんでしたとさ。

 

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ここまでが先週の思い出です。人生で最も辛く喪失感に包まれた1週間だったかもしれません。ただ、死ぬほど面倒くさくて物凄い勢いでカード決済されていくファイナルツアーの応募を経てちょっと現実に戻ってきました。

Twitterにも書きましたが、9ヶ月も前に告知してくれて最後の花道を15公演以上用意してくれたというのはむしろ恵まれてる方なんですよね。世の中にはさよならも言えないまま終わってしまうアーティストも大勢いるわけですから。

いちワグナーとしてはもちろん解散してほしくありません。7人揃ってのパフォーマンスは本当に凄い。歌も、ダンスも、トークも、この7人にしか作り出せない世界が確かにあった。この7人のステージが今後見られなくなると思うと本当に惜しい。でも7人の将来を考えたとき、いつまでもWUGという世界に閉じ込めておく訳にはいかないんだと思います。若手が次々に現れる声優業界で、いつかは自力で羽ばたいていかないといけない。それを考えると、6年という区切りは潮時なのかなあと。欲を言えばあと半年でも1年でも長く続けてもらいたかったですけど。

とりあえずツアーは全公演のチケットを確保できましたが、わぐらぶ先行で落選祭りになってるのは勿体無いですね。最近WUGを知った人や「解散だし1回くらい見ておくか」くらいの人にもどんどん来てもらって彼女達のステージの凄さを知ってもらいたかったのに。ぜひツアーPartⅢは大きな箱で、追加公演やっちゃうくらいの勢いで最後まで駆け抜けてほしいですね。

あとライブだけじゃなく、メンバー同士で仲良くわちゃわちゃしている姿も彼女達の大きな魅力なので、ぺらじやWUGちゃんねるも今まで通りのノリで早く更新してもらいたいものです。