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爆裂ハートフルコメディ

夜行バス完全攻略マニュアル

こんにちは。2022年は女性声優に会うために36回夜行バスに乗車した30代異常独身男性こと僕です。これでもだいぶ減った方で、全盛期にはほぼ毎週乗ってて4夜連続夜行バスということもありました*1

 

 

いつも現場で「往復ヤコバだよ~ん」って言うと「マジか」みたいな反応をされるのですが、慣れればこれほど効率的に移動できる乗り物は無いので、ぜひもっと多くの人に上手く活用してもらいたいと思って教訓をまとめることにしました。

 

なお、快適性よりもコスパ重視の遠征オタク視点という偏ったレビューであることをご了承ください。

 

 

まず前提を申し上げると、

 

夜行バスとは、値段なりの乗り物である。

ということです。

 

人権を犠牲にして究極のコストパフォーマンスを実現した移動手段です。

夜の時間を活用し格安で長距離移動できるメリットは他に代え難いものがあるものの、安ければ安いほど快適性は落ち客層も最悪になっていきます。逆にそれなりの課金をすればそれなりの快適性は確保できますが、最大のアドバンテージである安さを失っては意味が無いので、僕は人間であることを諦め荷物になることに徹し、基本的に4列のバスしか乗っていません(お金が無いので)。

 

夜行バス移動のメリット

とにかく安い。京都在住の自分を例に挙げると、

 

【東京〜京都】

新幹線(EX予約):片道13070円

夜行バス(4列):時期にもよるが、週末価格で片道4000円~、平日なら2000円台で乗れることも。3列なら6000円~

 

チケット代1万円以下のイベントに往復2万円の交通費を払って行くのは馬鹿馬鹿しいけど、夜行バスならだいたい往復1万円でお釣りが来ます。東海旅客鉄道株式会社に貢ぐよりも推しの物販に貢ぎたいですよね?

 

さらに、朝から晩まで一日中行動できるというメリットもあります。正直早朝に到着しても時間を持て余すことが多いのですが(時間の潰し方は後述)、物販やチケ取りで早朝から並ぶ必要がある場合はこれが大きな利点に化けます。

そしてイベントが終わった後も、新幹線だと最終の新大阪行きは21時台ですが、夜行バスなら日付が変わる頃までオタクとゆっくり飲むことができます。飲みすぎてジャーしても安いのでダメージが小さい。

 

あと関西から東北など直接行きにくい地へ移動する場合、夜行で東京まで移動することで朝イチの新幹線に乗って午前中に到着することができます。前泊・後泊できない日程で遠隔地でのイベントがある場合は夜行+新幹線の組み合わせが威力を発揮します。

 

ちなみに経験上、夜行バスは意外と運行安定率が高いです。台風接近時など、最近は新幹線でも計画運休することが増えてきましたが、夜行バスは高速が一部通行止めでも迂回できるので余程のことがない限りは動いていることが多い印象です。今回の大雪みたいなのは流石にどうしようもないですが*2

ただし渋滞で到着が遅れることはよくありますし、ごく稀に(飛行機や新幹線よりは高確率で)事故るのでご注意を。

 

車内での過ごし方

荷物・服装

事前に寝やすい服装に着替え、荷物は最小限必要なもの(スマホ・充電器・イヤホン・飲み物・ネックピローなど)以外はカバンに入れてトランクに預けるか網棚に入れましょう。ただでさい狭い座席に荷物を持ち込むと余計に狭くなります。

財布も盗難リスクがあるので極力持ち込まないほうがいいと思います*3。サービスエリアの店舗や自販機はだいたいIC決済に対応(コンビニ以外のQR決済対応はまだ少ない印象)しています。

 

冬もバス車内では暖房ガンガンのサウナになることが多く(僕は暑がりです)上着は結構邪魔になるのですが、休憩で降りるときに必要なので悩ましいところです。正直バスの空調は車両ごとの個体差や運転手の設定、座席位置などで効き方が全然違うので、季節を問わずに脱ぎ着しやすい格好で調節することをおすすめします。

 

眠り方

夜行バスで最も重要なことは眠ることです。バスだろうがリニアだろうが、どんな乗り物でも乗ってから降りるまで寝てしまえば移動時間は無になりワープ装置と化します。特に夜行バスでは熟睡できれば移動と休息を同時に達成することができて最大のメリットが生まれます(そのために上級グレードのバスを選ぶのもアリです)。

 

まずは乗車前のお仕事、あるいは推し事を全力で頑張り、疲労困憊してください。空腹は最高のスパイス、疲労は最高の睡眠導入剤です。しっかり疲れた状態で乗ることによって熟睡ワープできる可能性が高まります。疲れてるのに眠れないと最悪ですが。

 

事前飲酒も一つの方法ですが、気分が悪くなったりトイレが近くなったりすることもあるので諸刃の剣ですね。あと大抵のバスは車内飲酒禁止です。

 

車内での推奨アイテムはノイズキャンセリングイヤホンです。僕はSONYWF-1000XM4という最強イヤホンを愛用しており、エンジン音や他の客の物音をほとんどシャットアウトしてくれます。完全ワイヤレスなのでコードを気にする必要もなし。ただノイキャンonだと東京~京都間を連続再生するには少しバッテリーが足りず、一度ケースで充電する必要があります(休憩中の十数分でOK)。

僕はこれで女性声優のラジオやオーディオブックを聴いたり、ライブ前なら曲の予習をしたり、なかなか寝付けないときはインスト音源やサントラだけのプレイリストでリラックスしたりしています。睡眠用プレイリストを作っておくのはおすすめです。

 

眠れないとついスマホを弄りたくなってしまうかと思うのですが、個別カーテンが装備されていない場合、消灯後の車内では想像以上に画面の光が目立ちます。通常設定できる最小の明るさにしてもまだ眩しい。さらに画面を暗くできるアプリがあるので、文字を読めるかどうかギリギリのところまで暗くして周囲への影響を抑えましょう。僕は「ナイトスクリーン」(android)というアプリを使っています。

 

ネックピローとかは使わない派なので効果不明です。空気で膨らませるタイプのやつは事前に準備しておいてもらえると助かります(たまに消灯後にフーフー膨らませ始める奴がいる)

 

どんな手を尽くしても眠れないときは、諦めてください。夜行バスは快適に寝るための乗り物ではないので……。眠れないのに寝ようとするのはかえって辛いし、そういうもんだと思って一晩思索に耽りましょう。

 

絶対に熟睡して体調万全で臨みたいイベントにはケチらずに高速移動椅子とホテルを使ってください。

 

降車後の過ごし方

多くの夜行バスは到着が早朝になります。大阪・京都発東京着の場合は遅くても8時台、早いものだと5時台に着いてしまいます。声優イベントは午後開演が一般的なので、かなり時間を持て余してしまうんですよね。夕方以降の公演に行くならいっそ昼行バスに乗るのも手です。無理に寝なくていいですし。

ここでは僕が実践している朝の時間の潰し方をご紹介します。

 

低コストかつ有意義。特に寺社仏閣は早朝から開いているところも多いです。コンビニで朝ご飯買って公園や景色の良いところでゆっくり食べるのも良い。

オタクの皆さんには聖地巡礼もおすすめ。早朝なら人通りが少なくて写真も撮りやすいです。先日は下北沢に行って半日潰してきました。

デメリットは朝から体力を消耗するのと、冬は寒い上に開いてない店や施設が多いことですね。

 

  • 映画鑑賞

これもよくやってる。話題作でも朝一番の回は空いていることが多く、体力消費も最小限で済みます。7~8時から2時間潰せば多くのお店が開いている時間になるので、その後の行動は選択肢が増えます。

デメリットは、バスでよく寝てないと上映中に爆睡して金をドブに捨てるリスクがあることです。

 

  • 風呂・サウナ

早朝営業してる温浴施設は神。デカい風呂で足を伸ばして温まることで狭い座席での疲れを癒し、推しに会う前に身を清めることができます。サウナも血行が促進されてエコノミークラス症候群寸前の身体に効きます。

割安な早朝プランを設定している施設もある一方で、特に土日は早朝営業してる施設が結構限られてきます。24時間営業でアクセスが良いところは高額な店も多い。

東京駅着の場合、上野・御徒町エリアには比較的リーズナブルな24時間営業のサウナが多数あるのでおすすめです。男性専用が多いけど「Smart Stay SHIZUKU」は女性でも利用でき、最近オープンしたので割と綺麗です。鶯谷の「萩の湯」が安くて良さそうなので今度行ってみたいですね。

新宿着の場合は「テルマー湯」が天然温泉で充実したサービスを誇りますが、料金が高い。同じく歌舞伎町の「ソラスパ」はあまり良い評判を聞きません……。僕は新大久保まで1駅移動して「ニュー大泉」に行くことが多いです。新大久保には女性専用の「ルビーパレス」もあります。

地方の場合はバスターミナル周辺に温浴施設が無いことも。逆に朝から入れる温泉があるところは最高です。

 

  • ネットカフェ

最近のネカフェはシャワーや風呂を備えたところも多いので、近くに温浴施設や時間を潰せるスポットがない場合は有力な手段になります。ドリンク飲み放題、マンガ読み放題、ネットサーフィンし放題で時間は無限に消費できます。

ただ個人的には、せっかく安く移動しているのに暇潰しに数千円使うのは勿体無いという考えで、あまり利用していません。どうしても寝られなくてイベント前に体力回復したいときなどに使うことがあります。

 

  • ファストフード・ファミレス

最強貧乏プラン。金欠学生のときは朝マックで5時間粘ることもありましたが、みっともないし店に迷惑なので良い大人は遠慮しましょう。ガストは安い朝食メニューが充実していて、ドリンクバーで長居できるのでおすすめです(混んでるときは席譲りましょう)。

僕はイベント当日に推しへのお手紙を書くことが多く、朝からカフェで怪文書を生成することもしばしばあります。

 

  • パチンコ

運が良ければ帰りは新幹線に乗れます。

 

そのほか、良い時間の使い方があればぜひ教えてください。

 

どうやって乗る?

ここまで読んだ皆さんはもう夜行バスで遠征したくてウズウズしてると思いますので、乗り方を説明します。

 

予約方法

高速バスは同じ区間で複数業者が運行していることも多いので、まず比較サイトで乗りたい路線、時間のバスを選ぶことをおすすめします。僕がよく使っているのは「バス比較なび」です。

 

 

日程や乗降地だけでなく、細かい発着時間指定やバスの装備でも絞り込みでき、価格や時間で並び替えられて非常に便利です。

ただ、ここで表示される価格よりもバス会社の公式サイトやアプリで予約する方が会員割引などで安くなる場合があります。なので候補の便を絞り込んだら各社の公式をチェックして再比較してみましょう。楽天トラベルやじゃらんなどでキャンペーンやクーポンがある場合、上手く活用すれば公式より安くなることもあります。

多くの高速バスはホテルやLCCと一緒で価格変動制です。早く予約すれば安く、直前では割高になります(逆に在庫セールがあることも)。イベントや旅行が集中する連休にはめちゃくちゃ高騰することもあり要注意です。

 

個人的バス会社レビュー

僕が最も頻繁に利用してるのはここ。東京~大阪間を中心に運行本数がかなり多く、大抵の路線で最安値を誇ります。公式サイトでログインすると比較サイトの表示価格よりさらに安くなりますが、特にスマホ版のサイトが死ぬほど使いづらいUIなのが玉に瑕。座席指定は有料です。京都~東京便の場合、24時以降に発車する便も多くて余裕のあるスケジュールが組めるのが嬉しい。

去年乗客置き去り騒動で炎上した「さくら観光バス」は別会社です。

 

  • JRバス

こちらも早く予約すれば比較的安い。高速バスネットでの予約は乗車回数が増えると割引率が上がる仕組みなので、毎回同じバスに乗るならJRバスを選ぶのも手です。座席指定が無料なのも嬉しい。

流石JR系だけあって路線網は充実。地方路線はJRバスしか選択肢が無いことも。高速道路上のバス停にも停まるので、多摩地域など主要ターミナルから離れたエリアに行く際は便利です。

東京~大阪間では4列最下層の「青春エコドリーム号」から2列でほぼ個室ベッド並の「プレシャスクラス」(ドリームルリエ号)まで多様な形態のバスを運行しています。

また東京駅や大阪駅の場合、一般のバスは鍛冶橋駐車場(八重洲地下に移行中)やプラザモータープールといった駅から少し離れた場所を発着しますが、JRバスは駅前すぐの一等地に乗り場があります。

ただ比較的早い時間に出発するものが多く、京都〜東京でも24時台の便がありません。逆に昼行便は充実しています。

 

ネットワークが広く、地方路線が充実。4列ながらシート上部にフードを付けてプライバシーを確保した「リラックス」や、シェル型3列シートの「リボーン」など、快適性を重視した独自仕様のバスを運行しているのが特徴。

たまにセールやクーポン配布をしてるのでタイミングが合えば安く乗れるかもしれません。

 

乗降前後に「VIPラウンジ」という専用ラウンジを使えるのが最大の売り。ラウンジによってはシャワールームやマンガ貸し出しサービスもあり、ネカフェのように使うことができます。パウダールームがあるので女性には特におすすめです。

運行本数やバスの種類も豊富。予約サイトはTポイントが使えます。こちらもアプリやLINEでたまにクーポン配布があります。

 

黄色い。デフォルトで全席リクライニングされているので後ろに気を遣って倒す必要が無く、4列の座席間にも仕切りカーテンがあるので比較的快適性が高い。

バス市場」経由で予約する方が安い場合があります。

 

東京~名古屋・大阪便を運行。車内アナウンスが清水愛(これが言いたかっただけ)

 

 

他にも色々な会社がありますが、4列シートの場合はそれほど差は無いと思います。上級グレードの車両は各社いろいろ工夫していますが、僕はあまり乗らないのでわかりません。

 

座席の選び方

座席指定できるバスの場合、窓側か通路側かの選択が非常に重要になってきます。何せ新幹線より狭い空間に長時間乗車しますからね。

 

【窓側】

メリット

・壁にもたれて寝ることができる

・一部のバスは壁側にしかコンセントが無い

デメリット

・夜行便はカーテンを開けられないので景色は見えない

・逆にカーテンの隙間から街灯の光が漏れて眩しいことも

・壁にもたれると車体の振動が頭に直接伝わる

・通路側の客が寝ているとトイレに行きにくい

・通路側の客がはみ出してくると逃げ場が無い。隣がデブだと地獄

 

【通路側】

メリット

・窓側よりも若干広く空間を使える

・隣の客がはみ出してきても通路側に逃げる余地がある

・気兼ねなくトイレ休憩に行ける

デメリット

・体を預けられるものが無いので寝る姿勢が難しい

・窓側の客が席を立つ度に道を譲る必要がある

・通路を歩く客に体をぶつけられたり充電ケーブルを引っ掛けられたりする

 

と、それぞれ一長一短があります。なのであまり途中休憩せずぐっすり寝たい人は窓側トイレが近かったり足を伸ばしたりで途中休憩を重視したい人は通路側を選ぶのがベターかと思います。

僕は最早どっちでもいいし座席指定料すらケチりたいので最近はあまり指定せず運に任せています。たまに空いていて4列シートの片側2列をまるごと占有できるときがあり、この場合は3列シートを超える最強無敵のコストパフォーマンスを発揮します。

 

あとは意外にバス前後での席の選び方も重要です。

 

【前方】

メリット

・乗降が楽

・最前席は前の座席が倒れてこない

・バスのエンジンは後ろにあるので、騒音が比較的小さい

・車内が暑い場合、休憩地で外気が入ってきて一時的に緩和される

デメリット

・衝突事故時の死亡率が高い

・休憩の度に多くの客が横を通る

・冬場は休憩地で外気が入ってきて寒い

 

【後方】

メリット

・最後尾は気兼ねなく最大リクライニングできる

・同様にスマホの光漏れも他の席ほど気にしなくていい

・後方にトイレがある車両の場合は行きやすい

・衝突事故での安全性が比較的高い*4

デメリット

・乗降の度に狭い通路を歩く必要がある

・エンジンの影響で振動・騒音が大きく、やや暑い

 

暑がりや休憩を重視する人は前方寒がりや休憩が少ない人は後方がおすすめかもしれません。

 

その他Tips

バスタ新宿にJRで行く場合、南側(渋谷方面)の端の車両に乗り、ホームの一番先まで行くと直結改札につながる階段があります。これが最速ルートなので覚えておきましょう。

 

・鍛冶橋駐車場は実は東京駅よりも有楽町駅の京橋口から歩く方が早い。京葉線方面からなら東京駅の京葉地下八重洲口から2番出口を使うとショートカットできます。

 

・JRバスの東名線上り便は、用賀PAや池尻大橋のバス停で途中降車できます。朝の首都高3号線は渋滞のメッカで数十分~1時間超の遅延も珍しくないのですが、ここで鉄道に乗り換えることで回避することが可能です(渋滞時は急ぎの客に降車するよう薦める車内アナウンスが入る)

 

・コメントで多く寄せられたのが、SA休憩では似たバスが多く停まってるので乗り間違えないように自分が乗ったバスを写真に撮っておくという小技です。僕は割と覚えてる方ですけどたまに間違えかけるので記憶力に自信の無い方は実践してみましょう。

 

 

 

いかがでしたか?(まとめブログ)

 

完全攻略と謡うほどの内容を書けたかわかりませんが、何となく夜行バスって不安だなぁと敬遠していた方にも一度乗ってみようと思ってもらえれば幸いです。皆さんも交通費をケチってもっと推しに貢ぎましょう。

まああまり快適な乗り物ではないのも事実なので、お金がある人は新幹線か飛行機に乗って経済を回してください。

 

他にも便利な情報をお持ちの方はぜひコメントやリプライで教えていただけると嬉しいです。ここまでご覧頂きありがとうございました。

 

 

 

*1:連休取れなくて労働→舞台→労働→舞台→労働

*2:『腰が痛い』東京から京都に向かう夜行バスが立ち往生…出発して14時間経過も到着せず(MBSニュース) - Yahoo!ニュース

*3:乗務員は貴重品を預けるなと言ってきますが絶対トランクに預けとく方が安心だと思う。いずれにしても自己責任ですが

*4:右側中央部が最も生存率が高いという説も