来年3月末での解散を発表した声優ユニットRun Girls, Run!の5周年ライブツアー「Get Set, 5!」がいよいよ7月31日の仙台公演から開幕しました。
これがもうめちゃくちゃ楽しくて、5年間追ってる僕の予想をも遥かに超える良いライブだったので、こんな凄い人達がたくさんの人に見られないまま終わっちゃうのは本当に勿体無いな~と思ってツアー初日の感想を書くことにしました。
続きを読む来年3月末での解散を発表した声優ユニットRun Girls, Run!の5周年ライブツアー「Get Set, 5!」がいよいよ7月31日の仙台公演から開幕しました。
これがもうめちゃくちゃ楽しくて、5年間追ってる僕の予想をも遥かに超える良いライブだったので、こんな凄い人達がたくさんの人に見られないまま終わっちゃうのは本当に勿体無いな~と思ってツアー初日の感想を書くことにしました。
続きを読む今年も10選を書こうとしたのですが、老化とともに年々新しいコンテンツやアーティストを追うのが苦しくなってきて守備範囲が狭くなり、10曲選出するのが困難になってきました。どうしても特定のアーティストに偏ってしまい、1アーティスト1曲縛りでは8曲を選ぶのが精一杯でした。それでも一部コンテンツや歌唱メンバーが被ってますが……。
まああくまでも個人的ノミネートなので許してください。それではよろしくどうぞ。
3月18日リリース、1stアルバム「Empathy」収録
上田麗奈さんの魅力は吐息だと思うのですが、サビのフレーズを短く区切ってしゃくり上げるような歌い方でそれが最大限に生かされているように感じます。ラスサビ入りの「Ha」とか完全に確信犯ですね。
全体的に浮遊感あるサウンドや間奏の広川恵一ワールドからのスキャットなど、まるで春の夢の中のような曲で、アルバムを通して聴くと「あまい夢」からインストの「Falling」を挟んでずっと夢が続いているような感覚です。
4月8日リリース、ミニアルバム「DREAMY-LOGUE」収録
正直このアルバム収録の6曲を全部10選に入れたいくらい今年No.1の名盤。中でもDIALOGUE+という新人声優ユニットの歌であることを考えた時、ファンとの絆を描いた「好きだよ、好き」とメンバー同士の絆を綴った「ぼくらは素敵だ」は歌詞が反則級に良すぎる。田淵智也、なんて温かいメッセージを書いてくれるんだ……お母さんか……?
どっちを選出するかは迷いに迷ったのですが、「好きだよ、好き。」を選んだ決め手は落ちサビの歌詞。
僕の夢が叶うその日は 君に最初に伝えたいな
MVを撮った東京国際フォーラムでのライブが実現するとき、その発表はこの曲のここで行われるんだろうなという未来の光景がはっきりと脳裏に浮かびました。ストリングスアレンジも素晴らしく、涙を誘います。
実はまだメンバーのことはほとんど知らないのですが、それでもこの2曲を聴くと、良いユニットなんだなということが伝わってきます。「アイドルは物語である」という平成の名言がありますが、曲の力でユニットの物語性をここまで高められるのかと。これにメンバー自身が紡ぎだす物語が加わればめちゃくちゃ面白い存在になるのは間違いないでしょう。
僕はもう新たなユニットは推さない(人生がメチャクチャになるので)と決めているので、深入りしすぎない程度に見守っていくつもりです。
5月20日リリース、1stアルバム「Run Girls, World!」収録
Run Girls, Run!といえば、先日最新シングル「ルミナンスプリンセス」をリリースしたところですが、今年の1曲としてはこちらを選びました。過去の記事でアルバム全曲の感想を書いているので併せてご覧ください。
良曲揃いのアルバムですが、特にこの曲は3人の個性ある歌声を上手く生かせているような気がします。歌声からも歌詞からも、可愛さや勢いだけでない、Run Girls, Run!としてもプリ☆チャンとしても成長した優しさを感じます。
サウンド面では、2B「変顔の写真送るよ」や2サビ手前の「ステップアップ」(ここのもっちーの歌い方も良い)で1番にはないギターの鳴きが入ってて気持ちいい。演奏は堀崎翔。ギターソロも抜群に格好良い。
あとずっと後ろでピコピコ鳴ってるのにうるさくなくて、さりげなく曲の可愛い雰囲気を作ってるのがすごい。瀬尾祥太郎氏の編曲センスが光る1曲です。
作詞:沙羅 作曲・編曲:奥井康介
6月26日配信リリース*1、ミニアルバム「刹那、轟く歓声」収録
野球型青春体験ゲーム*2「八月のシンデレラナイン」発のユニット「HUiT*3」の曲。台風による中止・延期を経て4月に開催予定だったもののコロナで無観客公演となったハチサマ4を見たのですが、新曲ではこれが一番刺さりました。歌い出しの井上ほの花さんの声が良いですね。
ピアノの旋律が美しく、メロディの刻み方がオシャレな曲です。ラスサビ転調は正義。
ハチナイはゲームを続けることが苦手な僕(あつ森1ヵ月で飽きた)でも3年くらいほぼ毎日続けてる程度には面白いと思ってる作品なのですが、他にも完全名曲「ぬかるみ」など良曲がたくさんあるので、楽曲コンテンツとしても応援していきたいですね。
来年4月にはハチサマ5の開催が決まりました。次は無事開催されますように……。
作詞・作編曲:ANCHOR
7月29日リリース、テレビアニメ「デカダンス」OPテーマ
2020年7月期にTVアニメ3本同時タイアップという偉業を達成した鈴木このみ。中でもこの曲はサビ頭の「生ーーーきてるーーー」がめちゃくちゃキャッチーで、かつアニメ「デカダンス」のキーワードになっているところがアニソンとして完璧です。
アニメの世界観に寄り添って書かれた歌詞ですが、偶然にもこのコロナ禍で配信ライブやバーチャル全盛の時代になり、その中で「本当の色」「本当の音」による「生きている実感」を歌ったこの歌が持つ意味はさらに強くなっている気がします。
10月に開催された「鈴木このみ Live 2020 ~Single Collection~」は私自身も8ヵ月ぶりのリアルライブ参加で、まさに「生ーーーきてるーーー!!!」って実感を久々に得ることができました。
ANCHOR氏による鈴木このみへの楽曲提供は「東のシンドバッド」以来。こちらも超格好いい曲でお気に入りです。
作詞:秋元康 作曲:濵﨑大地、沢頭岳、中田明男 編曲:大野裕一
9月30日リリース、シングル「風は吹いてるか?」収録
「晴れた日のベンチ」は22/7の倉岡水巴、高辻麗、海乃るり、武田愛奈の4人によるユニット内ユニット。深夜にこのMV見るとめちゃくちゃ腹が減って困ります。
なんでナナニジがチャーハンの曲歌ってるのかはよくわからないのですが、とにかく歌詞に共感しかないし、ポップでキュートで耳に残る曲です。実際1人前よりも半チャーハンの方が美味しさは凝縮されてますよね。まあ僕はデブなのでラーメン大盛り+チャーハン1人前を頼みますが……。
って書いてる最中に帆風さんの卒業が発表されてしまいました。ナナニジさん、どうなっちゃうんでしょうか。
作詞・作曲:Q-MHz
11月18日配信リリース
22/7のリズムゲーム「音楽の時間」に登場するライバルユニットChouChou(シュシュ)の曲。若井友希・吉岡茉祐・厚木那奈美がQ-MHz曲を歌うという大事件。わぐりすらんのコラボがナナニジで結実するの、何?
永遠はいらないって思わないか
ただの瞬間分かち合あっていたいから
今だけ 今だけを見つめなよ
まだ君は望んでる?
終わんない世界はない
最初にそう言ったけれど 聞いてなかったの?
今が全てだと言ってるんだ
声優ユニットを含め、この数年痛感した世の中のあらゆるものの儚さを思うと、この歌詞が深く刺さりますね。「推しは推せるときに推せ」と言われているような気がします。
あとこれは完全にランガのオタクとしての感想ですが、若井・吉岡というi☆Risと(元)WUGの柱となるヴォーカリストに対応するのが林鼓子ではなく厚木那奈美というところが面白い。でも意外と3人の声質が似てる気がして、違和感は無いですね。
作詞:Kanata Okajima 作曲:Kanata Okajima、 MEG 編曲:MEG
12月16日リリース、3rdアルバム「WINGS」収録
めちゃくちゃ爽やかなジャケット*4のアルバムにめちゃくちゃ悪い音(誉め言葉)の曲が入ってるギャップが最高。
アルバムリリースに合わせて出たインタビュー記事でLinkin Parkで育ってSlipknotも好きとか言ってて笑いました。このサウンドに到達するのも納得です。「In this winding road」の水音とか2番の「どんな生き方も苦しいなら」のちょっとDA PUMPっぽいとこ(if…)が好き。
前作の名盤「PROGRESS」からダークな曲が増えましたが、天真爛漫な本人のイメージとは裏腹に闇の表現がめちゃくちゃ上手いんですよね。本作もただ明るいだけじゃない、それでいて前向きな大橋彩香の魅力がたくさん詰まっている充実した1枚になっています。
あとこのアルバム、音場が広く感じるミキシング?マスタリング?になってるような気がします。良いヘッドホンで聴いたらもっと気持ち良さそうです。
以上8曲が今年の新曲の中でよく聴いた代表曲になります。実際のところは過去の曲を聴いている時間の方が圧倒的に長かったのですが。
Spotifyプレイリストも作りました。
楽曲単位でのノミネートは以上になりますが、どうしても紹介したい2020年発売のアルバムが2枚あるので、特別枠として表彰します。
Wake Up, Girls!Solo Collection -7 Stars-
1月15日配信リリース
詳細は以下の記事にて。
豪華作家陣による珠玉の楽曲群。全人類必聴の名盤です。
Wake Up, Girls! LIVE ALBUM ~想い出のパレード~
3月4日リリース
常に最高を更新し続けたWake Up, Girls!の最終到達点。最新のライブが最高のライブになっていたWUGの最後の歌声がこうして音源化されたことは本当にありがたい。
どの曲も既存の音源とは別物。特に「Beyond the Bottom」とそれに続く4曲は、ファイナルツアーを通して圧倒的な進化を果たしました。ぜひ元の音源と聴き比べてみてください。極スマでみゅーちゃんが歌詞間違えてるのもご愛嬌。
ライブBlu-rayと比較すると、歓声は必要最小限のボリュームに抑えられ、よりクリアな音質になっています。僕はあのライブの熱量を浴びたいときはBDから抽出した音源、最後の歌声をじっくり聴きたいときはこのアルバムという使い分けをしています。
--
という訳で結局最後は平成の声優ユニットの話になってしまいましたが、一応今年リリースのアルバムなので許してください。来年は過去を上手に忘れて、なるべく貪欲にいろんな曲を聴いていきたいですね。
この記事は「Wake Up, Girls!Advent Calendar 2020」18日目の記事……になる予定のものでした。
例によって今年も大遅刻ですが、みんな遅れてるし仕方ないよね。前日の担当はむさしたあさんの「2020年を振り返って(仮)」、翌日は助手さんの「WUGの新章」です。
私がWUGアドベントカレンダーに参加するのは3年目になります。
昨年の記事
一昨年の記事
さて、今年のテーマは「Wake Up, Girls!新章」の総括にしました。放送から3年経ち、ユニットも解散した今ならフラットな目で振り返ることができるんじゃないかと。単なるアニメの感想としてだけでなく、WUGというコンテンツにおいてどのような役割を果たしたのかを考えていこうと思います。
新章は一応本放送時に全話見ましたが、この記事を書くにあたって、HOME仙台公演の際にゲーマーズ仙台店で予約購入して以来未開封だった新章Blu-ray BOXを引っ張り出して再視聴しました。
改めて見ると、大まかなシナリオはそこまで悪くなかったような気がします。メンバー個々のお悩み解決→真夢と志保のドラマ共演→ランガちゃんのアイドルデビュー→Vドルとの対決→全アイドル集合で大団円という流れ。特に真夢と志保はBtBよりも一歩進んだライバル関係になってて面白かったですね。
ランガちゃんを研究生として(金を取って)所属させるのはグリーンリーヴスの規模的にも上手い落としどころだったと思います。三次元のRun Girls, Run!が独り立ちした今、改めて二次元のランガちゃんと一緒にデビューした3人を見るとめちゃくちゃ初々しくて微笑ましく、ちょっとエモくなってしまいました。
またVTuber全盛の2020年現在から振り返ると、バーチャルアイドルVSリアルアイドルという話を2017年に描いていたのは先見の明があったのではないでしょうか。
ただしそれをアニメとして上手く描写できていたかというと……。
※この節は老害アニオタによるただの文句なので新章ファンの方は読み飛ばしてください。あくまで個人の感想です。
キャラが動いてシナリオを作るというよりシナリオにキャラが動かされてる感じでしたね。丹下社長は豊田真由子もビックリのパワハラババアになってるし。7人も旧章ほど個々の人生についての掘り下げがなく、薄っぺらいキャラになっている感があります。
作画は旧章もTV放送版では決して褒められる出来ではなかったものの、「この場面を描きたい」という意思は感じられるものでした。一方新章はそもそも何を伝えたいのか意味不明な構図やカット割りが頻発し、作画が修正されたBD版を見ても全く魅力的じゃないんですよね。作画の節約もあるんでしょうけど、根本的にセンスが無いというか……。CGを使ったダンスパートもカメラワークが謎。
僕は人格は別としてヤマさんの演出家としての能力を一定評価*1しているのですが、彼はカット割りのセンスが抜群に良いんですよ。
サブタイトルのテロップの入れ方やOPEDの作りもダサい。旧章はこの辺かなりこだわっていたと思います。関連商品のデザインもプロジェクト初期は格好良かったのにどんどんダサくなっていきましたね(HOMEツアーグッズのダサさに至っては1周回って愛おしいレベル)。
そして東北の描き方。地方アイドルVS東京の構図は若干残っていましたが、東北ならではの描写が薄い。一軒家での共同生活は舞台こそ仙台の「中山モダンハウス」ですが、話としてはあれが東京郊外の一軒家でも成立しちゃうんですよね。また、仙台以外の東北が登場することもありませんでした。
極めつけに「仙台空港跡地」という無神経極まりないセリフ。新章は仙台空港が跡形もなく流されてしまった世界線なのか知りませんけど、現実に震災から復旧した仙台空港でMVを撮った*2作品のセリフとは思えません。ストーリー上は広い空き地であれば何でもよかったはずで、何でわざわざこのセリフになったのか、誰もNGを出さなかったのか理解できません。
Wake Up, Girls!というアニメ作品の本質は、東北のご当地アイドルが何度も逆境に立たされながら再起し輝こうとする姿を、被災地の復興と重ね合わせて描くことにあったと僕は考えています。だからこそ、現実に被災したままの気仙沼を正面から描いた旧章を高く評価していたのですが、新章にそのようなメッセージ性は一切感じられませんでした。
まず新章に至る経緯ですが、2015年12月12日のイベント「Wake Up, Girls!Festa. 2015 Beyond the Bottom Extend」のラストで、白木徹の「私達I-1clubはWake Up, Girls!を吸収合併します」というセリフとともにWUGの新プロジェクトが発表されました。
#WUG_JP pic.twitter.com/w4mH5wd9Ed
— Wake Up, Girls!公式 (@wakeupgirls_PR) December 12, 2015
しかしその後、なんやかんやあって前監督を始めとする旧章主要スタッフは一掃。1年後の2016年12月11日、「Wake Up, Girls!Festa. 2016 SUPER LIVE」で「新章」の制作が発表されました。同時に「第3回アニソン・ヴォーカルオーディション」の実施も告知され、2017年7月30日のワンフェスでお披露目された合格者3名がRun Girls, Run!です。その後10月から放送が始まりました。
つまりなんやかんやあってから実質1年くらいで新スタッフで制作して放送を迎えた訳で、そりゃスケジュールに無理があるってもんです。ミルパンセが請けたのも他に請けてくれるところがなくて尻拭い*3したってとこでしょうし、同情の余地はあります。元のスタッフが誰一人残ってないのに作品テイストを維持するのも不可能でしょう。
放送時期をずらせばもう少しクオリティを上げられたのかもしれませんが、それは無理でした。何故なら18年1月期からはRGRがOP、WUGがEDを務める「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」の放送があり、4月からはRGRがi☆Risからプリティーシリーズを引き継ぎ「キラッとプリ☆チャン」で主演デビューするという筋書きが決まっていたからです。
声優ユニットの活動を前提にスケジュールが決まっていたので、アニメ作りはそれに無理矢理合わせる形になっていた訳です。旧章を含め、エイベックスアニメの放送クオリティがイマイチ良くないものが多いのはこの辺の体質に問題がありそうです。
じゃあもし「なんやかんや」が無く、前監督がそのまま続編を作っていたら?
ひょっとしたら新章よりは面白いアニメができていたかもしれませんが、あのBeyond the Bottom以降は誰が作っても蛇足になっていたんじゃないかと思います。BtBがあまりにも綺麗に終わりすぎていた。I-1がWUGを吸収合併してどうなったのかはちょっと見てみたい気もしますけどね。
前置きが長くなりましたが、ここが本題です。
散々文句を言っておきながら、それでも僕はWake Up, Girls!新章があってよかったと思っています。何故なら、2017年以降のWUGの活動は新章のおかげだからです。新章という展開があったから、ユニット結成4年目という脂の乗った時期にANIMAX MUSIXやあにゅパ、アニサマといったフェスへの出演やWUGちゃんねる、ANNiなどの新番組が生まれ、多くの人がWUGと出会うことができました。
アニサマ2017のBeyond the Bottomは、当時のWUGが持つ全てをこのステージにぶつけて、新章へつなぐんだという気迫が感じられた素晴らしいパフォーマンスでした。
何を隠そう、僕も2017年1月にANIMAX MUSIX 2017 OSAKAでWUGに出会った一人です。初めて*4WUGのパフォーマンスを見て衝撃を受けた後、ぺらじやWUGちゃんねる、夏の4thツアーといった沼の入り口がタイミング良くご用意されていたせいで、人生がひっくり返るほどどっぷりとハマってしまいました。
同様に2017年ごろのフェスでWUGに出会った人や新章を見てWUGを知った人もたくさんいて、あの超新星爆発のようなWUGちゃんのラストスパートを見届けることができたのは幸運だったと言うほかないでしょう。
あと新章の楽曲はどれも強い。「君とプログレス」「Jewelry Wonderland」「Glossy World」「カケル×カケル」、そして「Polaris」。もしWUGがBtBで完結していたらこれらの楽曲は世に出ていなかったかもしれません。
ところで「あおばブルース*5」がアルバムに入ってて「ニャオンのテーマ*6」が未音源化なのはどういうことなんでしょうか?改めて見たら結構可愛かったのですが……。
そしてこれは個人的な考えですが、新章がダメだったからこそ、7人はより強くなったんだと思います。思えば4thツアーの前後、メンバーはしきりに「不安だと思うけどついてきてほしい」というメッセージを発していました。新章が今までのワグナーが満足できるものでないことを感じ取っていたからこそ、自分たちの力で繋ぎとめるんだ、アニメに頼らず自分たちがWUGというコンテンツを引っ張って行かなきゃいけないんだという思いを強くしたんだと思います。
この夏のセットリスト。
新章に向けてTUNAGOのテーマのもと、みんなとの思いをつなぎたい思いが詰まっていました。
そして、WUGがWUGであるために。
今、WUG自身が、その芯をしっかり持って表現できないと、新章に不安をもたせて夏を終えることになると思ったから。
それだけは何としても避けたくて。
WUGはプロジェクト初期から、前監督の素行の悪さも相まって幾度となく外野に叩かれてきた作品でした。それを乗り越える度に、7人の絆は深まり、強くなっていった。新章もまた、7人が乗り越えるべき試練の一つだったのではないでしょうか。
もし、新章がめちゃくちゃ面白くて大ヒットしていたら、ユニットのファンも増えて、また違った未来があったかもしれません。ひょっとしたら、もう少し延命して令和まで活動を続けていたかも。そんな妄想をすることがあります。
でも、声優ユニットはいずれ終わる運命にある儚いものです。新章が大ヒットし、延命できたとしてもせいぜい数年でしょう。その時、あの伝説のHOMEツアーやSSAのような華々しい終わり方ができた保証はありません。仮に1年延びていたらコロナ禍が直撃してファイナルライブの開催は不可能でした。
新章がああなって、2018年6月15日にWUGの解散が発表され、2019年3月8日にファイナルを迎えたからこそ、WUGは伝説になれたんだと思います。
最高の運命を導いてくれた、愛すべきクソアニメ「Wake Up, Girls!新章」。これもまた、僕の大切な想い出の一部です。
いや改めて見返したら新章もまあまあ面白かった(特に後半)ので、今まで毛嫌いしていた方も一度心のハードルをグッと下げて見てみてはいかがでしょうか?
この記事は「Run Girls, Run!Advent Calendar 2020」9日目の記事です。
前日の記事は水色?えぬつーさんの『TVアニメ「Run Girls, Run!」が存在したら……ていう妄想』、翌日はむさしたあさんの『Run Girls, Run!のLIVEはサイコーなんだぜ!!!』です。
※この記事にはユニット同士を比較する記述が出てきますが、あくまでもランガのオタクである私いち個人の主観に基づくものであり、優劣をつけるつもりはありません。全ての声優ユニットにそれぞれ違う魅力があると思っています。温かい目で見てください……。
実はかねてより「女性声優ユニット分類学」として様々なユニットを世代やオーディション方式、タイアップ形態などの性質別に分けて比較してみるという記事を温めていたのですが、なかなか面倒臭くて書き上げられずにいました(本当はベン図とか作って分類したかった)。
そこで今回は、昨今テレビを賑わす「お笑い第7世代*1」に倣い、女性声優ユニットを世代別に分類し、中でも若手が群雄割拠するRun Girls, Run!と同世代のユニットを「第7世代」として定義して、ランガちゃんの現在とこれからを考えてみたいと思います。
なお以下の分類は完全なる独自研究であり、特に「第2世代」まではリアルタイムで観測していないのでざっくり年代ごとにまとめているだけです。当時のオタクの方からは異論・反論が大いにあるでしょうががご容赦いただければ。
ぶっちゃけ「第7世代」って言いたかっただけ。
第1世代:1990年代。「ハミングバード」「フラワーチルドレン」など。基本的にアニメ作品タイアップ?
第2世代:2000年代前半。「やまとなでしこ」「DROPS」など、特定のアニメに依存しないユニットが生まれ始める。
(ここから細分化。以下、特定作品専属ユニットは除外)
第3世代:2000年代後半。「Aice5」が一世を風靡。アイマスもこの時代から。
第4世代:2010~2013年ごろデビュー。「スフィア」「ゆいかおり」「ミルキィホームズ」「LISP」「StylipS」「かと*ふく」etc…。「けいおん!」以後「ラブライブ!」前の世代と言えば何となく伝わる気がする。
第5世代:2013~2015年ごろデビュー。「i☆Ris*2」「petit milady」「Wake Up, Girls!*3」etc…。「μ's」やデレマスの同世代という辺り。
第6世代:2015~2017年ごろ。「every♥ing!」「TrySail」「イヤホンズ」「アース・スタードリーム」etc…。「Aqours」世代?現状TrySail一強という感じ。
第7世代:2017年~。「NOW ON AIR」「ピュアリーモンスター」「22/7」「Run Girls, Run!*4」「サンドリオン」「DIALOGUE+」「Prima Porta」etc…。
ユニット名の並びは大体デビュー順。分類にあたっては、以下のページを参考にさせていただきました。
さすがにランガとTrySailを同世代にするのは酷だなぁと考えて2010年代以降を細分化したのですが、実際に声優ユニットを追ってるオタクなら何となくこの世代感に納得していただけるのではないでしょうか。ポストTrySail世代が第7世代だと認識しています。
さて、第7世代の特徴は何と言っても「アイドルと声優の垣根が曖昧」であることでしょう。秋元康プロデュース(22/7)や指原莉乃プロデュース(=LOVE*5)といったユニットまで誕生し、アニメタイアップや声優としての実績は以前ほど重視されなくなりました。
売り方としても、アイドルフェスへの出演や、いわゆる「接近戦*6」を多く開催するなど、従来のアニメやアニソン関係のイベントに留まらない展開がなされています(アニメ発ユニットも同様だけど)。
声優としての実績や強力なアニメタイアップが少ないことはユニット人気の分散も招いたのか、この世代に「勝者」と言えるほど飛び抜けたユニットはまだ出現していないように思います。実際、第6世代までが実現しているアリーナクラスの会場での単独公演を実施したユニットは2020年現在ありません*7。
果たしてこの中から一抜けするのはどのユニットになるのか?
個人的にはそれがRun Girls, Run!であってほしいと願っていますし、そうなれるだけのポテンシャルはあると思っています。
これまで第7世代に該当するユニットのパフォーマンスを現場やオンラインでいくつも見てきましたが、現状ライブパフォーマンスではランガが頭一つ抜けているのでは?と思います*8。
センター林鼓子のパワーボーカルを中心に、MONACAを初めとする実力派作家陣による難解な曲を生歌で歌い上げ、かなり激しいダンスを伴いながら、安定したパフォーマンスを実現。大人数ユニットならユニゾンで誤魔化せる部分もありますが、3人では実力がモロに出ます。最初の頃は結構不安定でしたが、最近はライブで原曲とは異なる歌い方で煽るなど余裕を感じさせるようなパフォーマンスも見られ、デビュー3年の貫禄を見せつけています。
また「プリ☆チャン」という安定的なタイアップもあり、本業の部分でも、初期から支える元ワグナー(だいぶ減りましたが)とともに、着実にファンを増やしています。
ただ、それだけでは現状数百人規模の動員を一桁以上増やすのは難しいでしょう。プリチャン以外にもう一つタイアップで当てられるといいのですが、何せエイベックスの深夜アニメは大体アレなので……。
また今年はコロナ禍で多くのアーティストがオンライン公演に移行しましたが、ランガは少し出遅れました。3月に予定していたホワイトデーイベントや8月に予定していた3rdツアーの中止を経て、やっとオンラインライブ「ランガリング・リンクライブ」を開催したのは9月26日と10月11日のこと。
おそらくリアルでのイベント開催をギリギリまで模索していたのと、コロナ拡大後はエイベックスが慎重な対応を取ったことが背景にあったのでしょうが、ちょっと遅かった。この間他アーティストによる多くの配信ライブが行われ、早期に現場を再開した地下アイドルもあり、供給を絶たれたオタクが相当数流出したのではないかと感じています(すぐ流出するようなオタクは遅かれ早かれすぐ他界した説もある)。
しかもランガのオンラインライブは各公演アーカイブ無しの生放送1回きり。それじゃ新規のオタクはわざわざ時間を合わせて見てくれるような熱量のある人しか釣れません。もちろんリアルタイムで見るのが一番ですが、今はあらゆるコンテンツやYouTuberらがオタクの可処分時間を奪い合う時代です。いつでも見られる柔軟性があるに越したことはないでしょう。
ライブ自体はとても良かったです。歌ってるときの表情の魅せ方が上手くなりましたね。fanphotoで販売されたライブ写真、良い表情が多すぎて110枚買いました。
一方、この自粛期間で一気に力を見せつけたのが田淵智也率いる8人組「DIALOGUE+」。無観客を逆手に取り、客席にバンドを置くなど会場を縦横無尽に使ったライブを6月にいち早く実現させたフットワークの軽さには目を見張るものがありました。曲作りの過程をオンラインで随時公開した「あたりまえだから」のリリースなど、常にオタクを飽きさせない動きを見せています。
まだライブパフォーマンス自体は荒削りですが、超実力派クリエイター陣が良曲を次々と生み出し、ライブは基本的に生バンドというスタイルは脅威です。MVもライブもめちゃくちゃ金かかっててポニキャンの力の入れようが凄い。
メンバー全員が出演するゲーム「CUE!」やA&Gの帯番組での露出もあり、今後ますます力を付けてくるユニットでしょう。
また、「22/7」もアニメこそ終了しましたが、ユニットとしてはさらに勢いを増しているように感じます(元ワグナーだいたいD+かナナニジに行ってる気がする)。
「22/7 計算中」はTLで観測する限りアクティブな声優オタク以外にもかなり好評のようですし、最近はD+と同様YouTubeでの展開を加速させ、ライブのダイジェスト映像を公演後すぐに公開するなどフットワークの軽さを見せています。半チャーハンいいよね……。
ゲーム「音楽の時間」もサービス開始し、今後さらに大きな展開を見せてきそうなユニットです。ライブではまだ100%生歌ではなく音源を被せているようで、ここはもう少し頑張ってほしいところですね。
対するランガもコロナ禍による自粛期間中に「オンラインお茶会やってみた」やメンバー個別の企画動画の発信など新たな取り組みを模索してくれましたが、まだ物足りない印象です。やはり一番求心力があるのはライブ映像だし、良い動画があればこの記事にも貼りたかったのですが、公式でアップされているのはもう2年以上前となった「Green Leaves Fes」の「カケル×カケル」1コーラス分のみ。
もっとも、有料の円盤を含めても「らんがばん!」のBDに、上記GLFの昼夜公演フル映像と2019年8月に開催された2周年ライブや2020年2月の「わぐりすらん」の映像が一部収録されているだけなのですが。ライブ映像の発信という点では見劣りしているのが現状でしょう。
「ランガリング・シンガソング」や新曲「ルミナンスプリンセス」では発売前にMVをフル公開するなど、徐々に柔軟なプロモーションができるようになってきたと思うので、せっかく良いパフォーマンスを見せているのですから、もっと多くの人に気付いてもらえるような発信を期待しています。まずは先日開催したオンラインライブの映像を一部でも無料公開した上で、願わくば4公演フルで円盤化してもらいたいところです。
ライブ以外の部分でも、みんな本当に良い子だし可愛いんですよ(語彙力の低下)。接近のレギュレーションは厳しめ*9ですが、与えられた枠の中で一生懸命ファンとの交流を楽しみ、また楽しませようとしてくれています。他のユニットの接近あんまり行ってないので比較はできませんが……(行くと落ちる危険があるので)。
結成4年目を迎え、デビュー当初と比べたら3人それぞれの個性がよく出てるし、トークでも遠慮のない掛け合いができるようになってきて、仲の良さもかなり深まっているように感じます。
あんまりお姉さん達と比べるのもアレですが、WUGも4年目の2016年ごろから個々のキャラが際立ってきてメンバー同士のトークがより面白くなっていった気がします。個人の番組やアニメ出演で、メンバーそれぞれが新たなファンを獲得してユニットに還元するという流れも生まれました。i☆Risはまさに個性の塊でメンバーそれぞれが好きなことを全力で突き進んでいる結果ユニットとして集まった時にさらに爆発するという印象です。
ランガも一人一人が個性をさらに伸ばせば、3人集まった時にもっと面白いユニットになるはず。「Share the Night」や「3人4脚自由形」が終了し、ユニットとしてのレギュラー番組が一旦無くなったのが心配な点ですが、来年にはまた何か新たな発信の場が生まれることを願っています。
あとは何より、声優としていろんな作品に出演して自らのファンを増やすこと。
今年発売された1stアルバム「Run Girls, World!」には三者三様のソロ曲も収録されました。Run Girls, Run!が走り始めてから3年。今まさにもう一段階ギアを上げて加速していくところにいるのかなと思います。
老害古参オタクらしく謎の上から目線で厳しいことも書いてしまいましたが、ランガの実力を信じているからこそ。もっとたくさんの人に見てもらえれば、もっとたくさんの人が応援してくれるはずです。
「武道館」を目標に掲げながら、3人で夢へのバトンをつないで走り続けるRun Girls, Run!。近い将来、第7世代の先陣を切って、その舞台に辿り着く日が来ることを楽しみにしています。
*1:Wikipediaによると、おおむね2010年以降にデビューした20~30代の若手芸人を指すとのこと
*2:デビューは2012年だけど世代としてはこっちかと
*3:公式サイトからユニットのプロフィール消えてて悲しい
*4:ユニットとしてのデビューは2017年7月だが、シングルデビューは2018年2月
*5:声優ユニットを名乗っているものの、メンバー全員が声優事務所ではなく代アニの所属で、大多数は元地下アイドルで声優活動がほとんど無く、実態としてはほぼアイドルグループということで今回は例外扱いにします
*6:お渡し会、握手会などファンと直接会話するイベント
*7:繰り返しになりますが、アイマスやラブライブ、ブシロード系の作品専属ユニットは除く
*8:個人の感想です
*9:エイベックス的にはあくまでも「声優ユニット」であり「アイドル」とは明確に区別されていて、あまり安売りしない方針を取っている